2017年02月23日

義娘と四方山話をしました編

2番目の子供が生まれて2ヶ月半が経過しましたが上のマー君は来月やっと3才なのでまだまだ手がかかる。
二人の幼児をかかえて日々悪戦苦闘している様子は傍からみていると少し可愛そうですわ。
現在週2回のマー君の幼稚園の送迎は秀さんの仕事になっているのですが昨日は義娘のVちゃんも同乗して行きましたわ。高島屋のヤマザキで愚息が好きな食パンや調理パンを買うとのこと。
ヤマザキが出来るまではベトナムのパンで満足していたのですが現在ではヤマザキ一択になってしまったとのこと。まぁ、確かに日本人受けする味覚&食感ですがね。

道すがら林立する新築マンションの話になしましてね。
Vちゃんの姉の友人でビングループの新築分譲マンションを3つ程買った人がいると聞きましたわ。
まぁ、投資目的なのでしょうが・・・
ベトナム人は投資に関して一般女性も積極的ですわ

投資目的は別にして、ベトナム人は必要以上に大きな家を建てたりベトナムの道路事情に合わない高級車を買ったり見栄を張るのかネェ? と質問すると・・・

お義父さん、それは人によってまちまちですよ 確かにベトナム人は見栄張の人は多いけれどそうでない人もいますよ 私みたいに・・・と言われてしまいましたわ
確かに今まで愚息にモノをねだったことは一度もないですわ。
まぁ、愚息のお財布事情もよく知っているからでしょうが・・・

何度も書きましたが、豪邸、高級車、キンキラキンの貴金属などを所有しているいわゆるお金持ちさんに対する一般ベトナム人の羨望の眼差しは半端ではないですわ
そんなもん死ぬときには全てこの世に置いて行くのにね と言うと
はい、ベトナムでも最後に残るのは屍とそれを入れる1〜2bくらいの箱だけという喩えがありますとの返事でしたわ
モノと違い人と人の思いは永遠に残るものだから2番目の孫を日本のお婆ちゃんに見せてあげたいので5月には日本に二人の孫を連れて日本に行くつもりだと話しておりましたわ
秀さんの義理の母ですがもう96か97歳になるので不謹慎かもしれませんが確かにこれが最後の孫とのご対面になってもおかしくはないと秀さんも思ってしまう・・・
祖母の若い時を知っているだけに何とも複雑な気持ちです
秀さん、自分のひ孫が出来るまでこの世に生きているだろうかと考えてしまいましたぞぃ
この月日の無情さは何らかの意味あってこの世に存在するのかも知れません

また、なぜか正月のおせち料理の話になりましてね
秀さんが昔は日本では正月が来る前に家の主婦は何日もかけておせち料理を作っていたと話すと
はい、ベトナムも昔は同じですよ と・・・
おばあちゃんが2週間も前から正月料理を作っていたのを私は手伝っていたので
今ではそんな面倒なことはせず、外で安易に買うようになったけれどね・・・と

お婆ちゃん子のVちゃんは料理好きだった祖母に似て料理得意ですわ
毎日夕方4時に お義父さん 今日は晩ご飯家で食べますか? の定時連絡をくれる義娘は愚息以上に?可愛い子だと思ってしまいます へい

短い間の車中でもこんな何気ない会話を義娘とできる秀さん
幸せ者だと思います
可愛い孫もそばに二人いますしね!

おっと! 孫ばか爺の話が続きそうなので本日はこの辺で失礼いたします。

では、また次回!


posted by 秀さん at 07:25| ハノイ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナム日常生活編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

ベトナム進出の話題が日本では多いですが編

資金力や優秀な人材などの各種リソースを多く持っている大企業さんは別にして中小零細・個人事業主の進出となると日本で騒がれている程簡単にはいかないのが秀さんの率直な感想ですわ。
長い間、秀さんもベトナムでそこそこ、いや間違いゴソゴソとやってきておりますが過去には騙されたことも複数回ありましたよ。だ か ら・・・今でも貧乏なのですがね! はぁ〜

秀さん含め日本人の一番の問題は、直ぐに人を信用してしまうことがあげられるでしょう。
同じ人間だもの日本人もベトナム人も同じ人間だ! と 相田みつを さんみたいな感性というか日本では当たり前のような性善主義といいましょうか 要は人が良い民族性が問題ですわ。
数多くベトナム人に騙されてえらい目にあった日本人経営者を見聞きしてきましたもん。
多民族国家ではないことや長い間の日本独特の文化や風習・人生観または死生観によって育まれて来た日本人独自のすばらしい感性が世界的には通用しないということを肝に銘じるべきですわ。

ここベトナムではスーパーマーケットに入店する時は袋やカバンなどは店の入り口前に設置された荷物預かりカウンターで事前に預けなければなりません。
人を信用していないことから物事を組み立てるのが当たり前の国でごわす。
日本に住むベトナム人が増えるに従い万引き事件が急増するのも当然と言えば当然ですわ。
カバンでも袋でも持ち込み放題ですもんね、どうぞ万引きしてください ってな感じですもん。
店側の無防備に付け込む外国人に あんたねぇ、万引きはいけませんよ! ってな悠長なことを言ったところで盗られる方が悪い、店が間抜けなの ってな感覚ですもん万引きは増えこそすれ減ることはないでしょうねきっと!

万引きに限らず、あらゆる面で自分だけ中心主義が蔓延している外国では法律で厳しく社会的な規範を縛らねば国が治まらないのですわ。悪いことをするのが人間だとの前提で考えている国が多いのですわ。
過去の大震災で秩序ある行動をした日本人に世界中の人々が驚嘆の声を上げましたが・・・
これって 逆の見方をすれば日本人が異常なのかもね?

さて、話を戻しまして・・・

ベトナムに進出を考えている企業や個人事業主の方に注意して頂きたいことは
まず、人の採用が一番重要だということです。だって普通の日本人はベトナム語は話せないですもん。
求人募集をして面接したところで誰が良い人で誰が悪い人なんて短時間の面接で分かる訳きゃありせん。
ある程度の試用期間を設けてその本人をじっくり観察すべきですわ。社長の前では良いことばっかり言っていても陰では味噌くそ言われている そんなことは日常茶飯事のごとく見て来ましたので。

って生意気なことを言っておりますが・・・そういう秀さんも陰では散々に言われております。

何故って? 

へい、悲しいことですが同じ従業員からタレ込みがあるからですわ。くそっ!

次に、社長と従業員、会社では俺が一番偉いなんて日本人的な観点でベトナム人を見ないこと。
君たちの給料払っている会社の社長だなんて態度で上から目線ですべて取り仕切ろうなんて長い間中国やフランスに属国支配されて来たが心から服従は決してしなかったベトナム人の気質を軽く考えないことですわ。
まずは出来るだけベトナム人と同じ目線で物事を考えて見る、これが一番難しいことかも知れませんが重要なことです。
普段の従業員はどんな食事をしてどの程度の価格感でモノを買っているのか? 給料のわりにいい服やいいバイクを乗っているのは何故? なんてことを日ごろから考える癖をつけるべきですね。
会社には内緒で仕事を掛け持ちしているベトナム人なんてざらにいますもん。社長が知らないだけで・・・

こんなことを言えば誰もが信用できないわ! と途方にくれる方もおられるかもしれませんが
キーとなる社員候補がいればその者の親兄弟を機会があれば、いや機会を作ってでも訪問してよく観察することです。まぁ、これは日本でもそうですが・・・親の教育やしつけは大切ですので親兄弟の立ち振る舞いをよくよく観察すればある程度のことは分かると思いますよ。
そしてキーとなる人物が信頼に足る社員と判断できたなら、その者にある程度大きな権限委譲をすること。
間違っても同じ権限を複数の人間に与えないこと。小さな会社ですと派閥が出来て社内が統制できず命令系統が混乱し勢力争いが必ず起こります。うちの会社は開かれたオープンな社風だなんてことで言いたいことがあれば誰でも社長と直結、本社と直結みたいな状況になるとベトナム人組織は統制が取れず組織としては機能しません。

日本と違い経済成長著しいベトナムという国、経済活動をしている企業や個人事業主の方々にとっては魅力的な国であることは間違いありません。
若くして来越して成功をおさめている人々も数多く知っております。
チャンスがあれば当然そこにはリスクもオマケのようについてくるのは当たり前ですね。

リスクが怖ければ無理して進出しない方が良いかも? とアホの秀さんの率直な気持ちです。

現在、大企業といわれる会社でも初代の創業者はリスクを犯してチャンスをものにした方ばかりだから・・・

問題は・・・秀さんのようにリスク覚悟で1歩踏み出したが・・・
未だによい結果がついて来ない者もごまんといるという現実と将来期待性を秤にかけてよく判断することですね! なんじゃ、そりゃ ですがね。スマソ

では、本日はこの辺で



posted by 秀さん at 08:24| ハノイ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナム人の性格編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月16日

ドル・円等の為替相場の変動が激しいですが・・・編

秀さんの会社も日本製の化粧品を輸入している関係やコンサルフィー等を円またはドンで受け取るかにより為替の影響を受けるのであります。
とは言っても毛細血管企業なので1回あたりの取引額は大したことないので大きな影響はありませんがね。

ベトナムに関わって17年になりますが、過去1万円が130万ドンから290万ドンまでの間で為替相場の影響で上下を繰り返したことを経験しております。
現在、1万円は190万〜200万ドンの間ですね。ベトナムドンは米ドルと一応リンクしていますのでドル高が良い会社、円高が良い会社、どちらでも構わない会社と様々ですが日本の一般庶民にとっては円高の方がメリットは多いのではないでしょうかねぇ。

さて、世界の基軸通過と呼ばれるアメリカドルさんですが・・・
これってアメリカ政府が発行している訳ではありません。
ワシントンD.C.にあるFRBがドル紙幣を印刷しています。日本名で言うと連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)ですがあたかも政府機関のようなネーミングですが実態は民間組織です。

国のお金を民間の組織が印刷しているなんてどうして?
と素朴な疑問が湧いてきますねぇ。

日本銀行だって政府機関ではありません。
だってジャスダックに上場している政府機関って変でしょう?
日本銀行のホームページにも日本銀行は、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人であり、政府機関や株式会社ではありません。と書いておりますぞぃ。

さて、話を基軸通貨のドル=FRBに戻して・・・・

FRBと言えば有名なのはロスチャイルドさんですね。
初代のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドのおっさんはこんなことを言っておりますわ。

「私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い。」

おいおい、あんた何様? と聞きたくなりますね。このおっさん一族については後で参考資料として後述いたします。

話を戻して・・・ある文章から

1815年、ロスチャイルド家をメインにユダヤ系金融資本グループはイングランド銀行を支配下に置き、英国の通貨発行権と管理権を手中に収めた。1913年には米国にFRB(米連邦準備理事会)を設立し、米国の通貨発行権と管理権を手中に収めている。FRBの株主のそのほとんどがユダヤ系である。

21世紀初頭、ユダヤ系の金融機関が中央銀行の所有権を持っていない国は、全世界でアフガニスタン、イラク、イラン、北朝鮮、スーダン、キューバ、リビアの七ヵ国だけ・・・・
小ブッシュ(息子の方のブッシュ元大統領)のこれらの国々は「悪の枢軸国だ!」の発言の裏には
別の真意が隠されていることはミエミエですがな。やれやれ

また、べつのある文章からですが・・・

誰もが米政府の一部と見ているFRBは、1913年、当時の米大統領ウッドロー・ウィルソンが国際金融資本家に騙されて?連邦準備法に署名したことにより設立された。しかし、後にウィルソン大統領は、「私は一番不幸な人間だ・・・知らず知らずに自分の国を破壊してしまった」と、死の直前に後悔の言葉を残した。大西洋単独無着陸飛行で有名なチャールズ・リンドバーグ下院議員は連邦準備法が可決された12月23日に次のように述べている。「連邦準備法は、世界で最も巨大な信用を規定するものだ。ウィルソン大統領がこの法案にサインすれば、金融権力という見えない政府が合法化される。この銀行制度と通貨に関する法案によって、世紀の重大な犯罪が準備されることになるのだ」

簡単に言えば、FRBは米政府とは無関係の民間の会社であり、発行株式は欧米の銀行が株の100%を保有していて米国政府は1株も保有していない。ロックフェラーとロスチャイルドなどユダヤ財閥系の銀行が支配していて、FRBの要であるニューヨーク連邦準備銀行(米中央銀行)の株式は、JPモルガン・チェースとシティ・バンクの二行だけで53%近くを所有しています。

現在の米国の法律では、ドル紙幣は米財務省が発行することになっている。しかし、実際にドルを発行しているのはFRBであり、明らかに違法行為をおかしている。そして、米国債を発行しているのは米財務省なのです。何のために?? このカラクリは、ドルを発行したFRBは、ドルを米財務省に貸し付ける。そして、FRBは貸し付けた額と同等の米国債を米財務省から受け取ります。毎年、黙っていても米国債の利子が自動的にFRBの株主に支払われる。その額は米国民から得た税収の20%近くと言われている。

また、FRBは民間の企業でありながら、法人税は免除されているため、国債の利子は100%、国際金融資本家のものになる。今のように国債の金利が上昇すれば、泣くのは米政府と米国民であり、笑うのはFRBの株主という構図だ。FRBはまさに吸血鬼といっても過言ではない。通貨発行権を国際金融資本家に奪われた末路と言える。

過去ユダヤ金融資本による異常なドル発行システムに反旗を飜えした大統領 リンカーン及びケネディ大統領その他・・・はご存知のとおり  暗殺 されています。 おお〜 怖っ!

今、アメリカではトランプ大統領とFRBさんは金融政策の違いで揉めておりますねぇ。
イエレン婆さんの継続はないでしょう。
トランプのおっさんはホワイトハウスには第7代アメリカ大統領アンドリュー・ジャクソンの肖像画を飾っています。
リンカーンでもケネディでもなくアンドリュージャクソンです。
ケネディもリンカーンも国際金融勢力に殺された敗北者?ですが・・・
歴代大統領の中で国際金融勢力と唯一戦えたのはアンドリュー・ジャクソンです。

その肖像画をトランプのおっさんが飾るということはFRBから通貨発行件を取り戻そうとしているのかも?
という妄想が湧いて来るアホの秀さんです。

ひょっとしたら万万が一・・・ですが
トランプのおっさんが過去のケネディさんらと同じように命を賭けてFRBとことを構えるかも? 
とあらぬ期待をしている秀さんですわ。

あらあら本日も為替の話から脱線してしまいましたね。
脱線ついでに参考資料として下記の3つの文章を貼り付けておきますね。

では、また次回まで  へへい〜


ロスチャイルドの歴史。

世界の金融、石油、情報機関、原子力、軍事、政治、食品、メディアを支配するといわれるロスチャイルド一族。次々と有力な実業家、政治家、貴族、他の銀行家や財閥たちと閨閥(妻の親類を中心に結ばれている勢力)をつくりながら、世界の産業界に君臨していきます。

ロスチャイルドの歴史ロスチャイルド家発祥の地は、ドイツのフランクフルト。
ゲットーと呼ばれるユダヤ人の居住地区からこの一族の歴史は始まりました。

当時、市民権すらもあたえられていなかったこの一族は、細々と両替商をしながら生活していました。
しかし、一族の初代マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは、古銭集めという共通の趣味から、ドイツの名門貴族ヘッセン家のヴィルヘルム9世と知り合い、やがて一緒にビジネスを始めるようになります。

時は18世紀後半の戦乱の時代。
この時、高利貸しと呼ばれる金融業に身を投じたマイヤーは、戦乱のヨーロッパ大陸を死の商人として駆け回り、莫大な自己資金を得ることに成功します。
その後、マイヤーの5人の息子たちがヨーロッパ諸国へと散っていきます。

•1764年・・・初代マイヤー・アムシェルがドイツ・ロスチャイルド商会創設
•1804年・・・三男ネイサンがイギリス・ロスチャイルド商会創設
•1817年・・・五男ジェームズがフランス・ロスチャイルド商会創設
•1820年・・・次男サロモンがオーストリア・ロスチャイルド商会創設
•1821年・・・四男カールがイタリア・ロスチャイルド商会創設

パリのジェームズとウィーンのサロモンが協力してヨーロッパ全体をカバーする通信と馬車輸送のネットワークを作り上げ、そこから誰よりも早く得られる情報を利用してロンドンのネイサンが金や通貨の投機をして大儲けするという兄弟ならではの連携プレーをし、今日の国際金融ビジネスの原型を作り上げました。

この頃は、ちょうどナポレオンの全盛期の頃にあたり、全ての国の国王や実力者が、いつなんどき引っくり返るかわからない時代において、5人兄弟の5カ国連合商会はリスクヘッジとしての性格も帯びていました。

イギリスへと渡ったネイサン・ロスチャイルドは、1810年にロンドン証券取引所の支配者フランシス・ベアリングが亡くなると、新しい支配者となり、世界一の金融王としてイギリスがヨーロッパ同盟諸国に提供した4200万ポンドの資金の半分を調達するまでになりました。

そして1815年、ネイサンは世紀の大もうけに成功します。

皇帝ナポレオン率いるフランス軍と、イギリス=オランダ=プロイセン連合軍が戦った“ワーテルローの戦い”が起こりました。

この戦争は、仮にイギリスがフランスに負ければ、大陸のパワーバランスが崩れ、イギリスの大陸における利権が一気に失われかねないということで、非常に大きな意味を持っていました。

この時、イギリスは国債を発行することによって対ナポレオン戦争の軍資金を調達していました。

イギリスが負けることになれば、当然、イギリスの国債は大暴落してしまいます。

投資家たちは、皆、戦争の行方を固唾を呑んで見守っていました。

そして、戦争終結から数日後、イギリスの国債は大暴落しました。
その理由となったのは、ネイサン・ロスチャイルドでした。

その日の朝、ロンドン取引所の持ち場にいたネイサンは、青ざめ、疲れきった顔をして、急に国債を売り始めたといわれています。

ネイサンは、イギリスに対して莫大な投資を行っており、また独自の情報ネットワークと情報を素早く手に入れるための手段(個人の快速船など)を有していることが知られていました。

そのため、ロンドンの市場関係者たちは、「ロスチャイルドが債権を売っているということはイギリスが負けたのだ」と考え、われ先にと債権を売り始め、最終的に国債は大暴落したのです。

しかしながら、実際はナポレオンがイギリスに敗北。
当然、戦勝国であるイギリスの国債は、大暴落した次の日には、イギリス勝利の情報とともに暴騰しました。

しかし、その時はネイサンがイギリス国債を大量に買い漁った後だったのです。

誰よりも早く、そして密かにイギリス勝利の確かな情報を手に入れていたネイサンは、イギリス国債を売りまくり、イギリス敗北を偽装するかたわら、秘密の代理店を使って、紙屑同然の値段となった国債を買いまくっていたのでした。

この出来事により、多くの投資家と、ほぼ全ての名門の家系が破産し、対してネイサンは約100万ポンドの利益を得たといわれています。

これは、当時のお金の価値では天文学的な数字で、この日の儲けで彼の財産は2500倍まで膨れ上がったともいわれています。

このことはのちに「連合国はワーテルローの戦いに勝ったが、実際に勝ったのはロスチャイルドだった」という諺となって残っているそうです。

ヘッジ・ファンドの元祖敗戦国フランスがイギリス同盟国に支払う賠償金の総額は7億フランに達しました。
この支払いを公債として引き受けたのがフランス・ロスチャイルド商会のジェームズ・ロスチャイルドです。

彼は、この公債を売却して得たお金をヘッジ・ファンドと同様に投機家の貸付けに流用しながら、年間50%の利息を稼いだといわれています。

1820年代に入ると、ほとんどの大国の大蔵大臣がロスチャイルド5人兄弟に買収され、公債を発行して国の借金をつくっては、その2倍近い金額をロスチャイルド商会に支払うという取引がおこなわれました。

相争うイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアの5カ国の対立構造の隙間を巧みに泳ぎ回り、プラスとマイナスの両者に投資して、必ずトータルでプラスにするという今日のヘッジ・ファンドの手法で、利益を一手に独占したのです。


アメリカの通貨発行の歴史

1694年
・英国に中央銀行ができました
1776年
・ ベンジャミン・フランクリンは独立を宣言し、同時にアメリカ独自の通貨を発行しまた。
1787年
・9月17日制定の合衆国憲法で、第一章第八条第五項に「合衆国議会は貨幣発行権、貨幣価値 決定権ならびに外国貨幣の価値決定権を有する」と規走した。
1791年-1811年
・アメリカの最初の中央銀行である米国第一銀行が議会で20年の時限立法として承認後運営を開始しました。第3代大統領トーマス・ジェファーソンと第4代大統領ジェームズ・マディソンによって最終年1811年に葬られました。
米国第3代大統領トーマス・ジェファーソンの言葉「通貨発行の権利は銀行家達の手から取り上げて、元来所属すべき人民の手に戻すべきである。」
米国第4代大統領ジェームズ・マディソンの言葉「歴史は記録しているのです。 通貨を発行し金融を支配する事で 政府をコントロールし続けるために 両替商達はあらゆる形態の悪用、策略、騙しや暴力を使ってきたのでした。」
1816年-1836年
・国際金融家達はあきらめずに、今度は米国第2銀行を法制化しました。
これは第7代大統領アンドリュー・ジャクソンによって葬られました。
アンドリュー・ジャクソンの言葉 「私は 銀行をつぶした。」
 彼はまた憲法に基づき政府発行の通貨を使い政府の借金を全額返済に成功しましたが、これはアメリカ史上で最初で最後の出来事なのです。
1861年-1865年
・第16代大統領エブラハム・リンカーンは中央銀行に反対しました。
1865年に暗殺されました。
(銀行から戦費調達が出来なかったリンカーンは 北部だけに通用する紙幣を発行して支払いに回して戦費に充てて勝利しましたから その通貨発行の権利を欲しがる私立の中央銀行の必要性を全く認めなかったのでした。}
1881年
・第20代大統領ジェームズ・ガーフィールドは中央銀行に反対した直後暗殺されました。
{注: 彼の任期は 6ヶ月と短かかったのですが、邪魔者の芽は早いうちに摘み取っておくということでしょうか?  但し暗殺の原因は 今のところ特定されていません。}
1910年
・秘密の会合がジョージア州のジェキル島で開かれ 連邦準備銀行設立について話し合われました。
1913年
・連邦準備銀行は 通貨発行に関する独占的地位が与えられました。
 任期中ですが1919年大統領ウッドロー・ウイルソンは1913年のサインを後悔して、「私は最も不幸な人間だ。私はうっかりして この国を駄目にしてしまった。この偉大な産業国家は今金融制度に支配されてしまった。」
1963年
・ジョン・F・ケネディーは 連邦銀行の持つ力をそぎ取る目的の大統領行政命令11110号にサインした後に、暗殺が実行されました。



ケインズの提案した世界基軸通貨「バンコール」の理想

ジョン・メイナード・ケインズが、「バンコール」と名づける新たな不兌換紙幣を国際準備金として国際社会に提供することを提案したのは、1944年ブレトン・ウッズ会議の席上であった。第二次世界大戦後の世界経済体制を決定づけるこの会議で、ケインズを中心とした英国代表団は、「国際清算同盟案(幻の世界銀行案)」を提示した。この内容は、各国の中央銀行を束ねる信用創造機能を有する国際中央銀行の創設と政府間通貨=基軸通貨としての「バンコール」の発行の提案であった。しかしこの提案は、米国のドルを基軸通貨とする米国案と激しく対立して日の目を見ることはなかった。創設されたのは、米国が主導する短期資金を融通する組織、国際通貨基金(IMF)であった。IMFは、金と交換性を保った米ドルに他国の通貨をリンクさせ、為替相場を維持して通貨・金融の安定を目指すものであった。

このシステムは、しばらくの間問題が表面化せずにすんでいたが、1960年代にはいって欠陥がみられるようになった。米国の経常収支の赤字の継続と金価格の上昇が頭の痛い問題になってきたのである。

エール大学の経済学者R・トリフィンは、米国の経常収支の赤字が継続すればドルが過剰になりドルの信任が低下する一方、貿易収支の均衡を維持しようとすればドル不足に陥る「トリフィン・ジレンマ」になると指摘した。この原因は、米ドルという一国の通貨が国際通貨の役割をも担っていることが原因であり、主権国家の通貨とリンクしない準備通貨が必要であると結論付けた。1967年のIMF総会において特別引出権(SDR)の創設が決定された。各国の批准を経て1969年、ケインズの提案した政府間通貨「バンコール」は、特別引出権(SDR)として一部実現した。SDR1単位の価値は、1米ドルに相当する金表示によって示された。現在SDRは、IMFの出資金に比例して加盟国に配分されている。その価値は、主要な国際通貨のバスケット(加重平均)に基づいて決められている。バスケットの構成は、世界の貿易及び金融取引における各通貨の相対的重要性を反映させるよう5年ごとに見直されることになっている(2006年以降の通貨ウエイトは、ドル44%、ユーロ34%、円とポンド各11%)。SDRの創設によって、IMFの貸出能力は大きく拡大したといわれる。

1971年予想もしなかった基軸通貨であるドルが投機攻撃されるというニクソン・ショックが起きた。米国政府は、兌換しきれなくなり金本位制は廃止に追い込まれた。外国為替相場が自由変動相場制に移行した時、日本は円相場の急騰に見舞われた。12月の通貨の多国間調整において円は1ドル360円から308円に切り上げられた。それでも収まらず、1972年2月14日には変動相場制に移行、1ドル277円をつけた。当時の水田三喜男蔵相は、「国際通貨は特定国の通貨をこれに充てるということの矛盾が今度はっきりした。やはり、(IMFの)特別引出権(SDR)のようなものが中心となって新しい国際貨幣が形つくられるべきである」と述べた。為替相場の急激な変動と国際準備通貨の問題は、この当時から問題視されていた。為替相場の自由変動相場制への移行後は、国際準備通貨の問題は軽減してともかく機能してきた。

このSDR―国際通貨の考え方を基軸通貨として確立しようとした試みが、日本のリーダーシップの下に提案されたことがある。1997年のアジア通貨危機の時、日本はアジア通貨基金の創設を提案し、東アジア地域の経済回復に必要な資金として1000億ドルを拠出すると申し出た。しかし、この構想は東アジア地域における影響力低下を恐れた米国とIMFによってつぶされてしまった。しかし、数年後の2000年5月、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓三国は、タイで会合を開き、チェンマイ・イニシアティブの協定に署名し、各国が準備金を融通し合うという合意を交わした。金融危機への対処能力を高めるための新たな域内協力体制の構築の第一歩となっている。

以上

posted by 秀さん at 03:48| ハノイ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナムで政治・経済雑感編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月15日

乾季なのに気温が高いホーチミン編

ここのところ乾季に雨が降ったり気温が高かったりと例年と違いホーチミンの気候はおかしい。

って・・・お前の頭のほうがもっとおかしいわぃ! と言われても返す言葉がない秀さんですがね。へい

ベトナムはテトも終わり人々の暮らしぶりも通常に戻っておりますが秀さんの方は仕事上の様々な問題処理に追われ落ち着かない日々を過ごしております。
過去を振り返っても落ち着いた日々が数年も続いたことなんてありませんでしたわ。
いつも波乱万丈というか何がしかの問題が生じその処理に忙殺されるといったことの繰り返しで落ち着く暇も金も恋人もいないのが秀さんの一生なのかしら?と思うこともありまして 嗚呼 悲しいのう と嘆くこともしばしばでごわす

しかし見方を変えれば、本来なら妻を亡くしベトナムで寂しい独居老人生活送るべきところを愚息夫婦との仲も良く可愛い孫2人に囲まれ和気藹々とした家族生活をさせていただいていることを考えると幸せ者と言えるのかも?ですね。
まぁ、妻を亡くしていなければベトナムに住む可能性はほぼゼロに近かったでしょう
だって秀さんの奥さんは秀さんと違い東南アジアはダメダメ人間でしたから

この歳まで生きて来ると過去の過ちや判断ミスなど後から分かることも多いですわ
しかし過ぎた過去は幾ら望んでも変えることは出来ないので振り返らずに前を向いて歩いていくしか残された道はありません
様々な問題が生じてもそれを受け入れ、よっしゃ〜 何とかやったるわぃ! と前向きに考えて努力していけば過去もそうであったように何とかなるもんです それがどんなに大きな出来事でもね

秀さん そうは言ってもね・・・・

金もない 彼女もいない 仕事もないのですが・・・
どうすれば良いのですか? 

と言うそこのあなた には次の歌詞をプレゼントしますわ
植木等さんの歌で青島幸男作詞の

♪ 黙って俺について来い ♪

ぜにのないやつぁ
俺んとこへこい
俺もないけど 心配すんな
みろよ 青い空 白い雲
そのうちなんとかなるだろう(笑声)

彼女のないやつぁ
俺んとこへこい
俺もないけど 心配すんな
みろよ 波の果て 水平線
そのうちなんとかなるだろう(笑声)

仕事のないやつぁ
俺んとこへこい
俺もないけど 心配すんな
みろよ 燃えている あかね雲
そのうちなんとかなるだろう
わかっとるね わかっとる わかっとる
わかったら だまって俺について来い

へい、人生、生きてさえいれば最終的には何とかなるもんです

悩むこたぁ〜 ありゃしませんよって ぼちぼちといきまひょ


posted by 秀さん at 05:40| ハノイ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナム生き方編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

今年中に100回になりますねと言われた編

第91回目のホーチミン品友会ですが11名の参加を頂き無事終了致しました。
皆さま、ご参加有難うございました。
当初参加表明された方の人数が少ないので久しぶりに愚息夫婦に参加を依頼したのですが最終的には11名ということで何じゃこりゃ? 状態の秀さんでした。

あるメンバーさんから今年中に100回になりますねぇ と言われて驚いた次第ですわ。
月日の経つのはほんとうに早いですね。
何のためにもならない食事会を続けて何か良いことでもあるの? と聞かれれば・・・

へい、何もありゃしません! って応えるしかないのですが

気のあった仲間との会食のひと時は、普通に暮らしていても様々な問題が起こるここベトナムにおいての一服の清涼剤です。

いつもは毎月第2土曜日の開催ですが次回はある理由により3月18日(土)の開催です。

ベトナムについても経験見識豊かな人達ばかりですので情報交換の場としても有意義な会だと思いますので
初参加の方もお気軽にお声掛け頂ければ幸いです。


義娘も2人目の孫の育児で中々街中へ繰り出すことが出来ない状態ですが当日はお手伝いさんに孝寛のお守りをお願いして久しぶりに品友会に参加と相成りました。
前回参加したのはかれこれ1年くらい前でしょうか・・・
もうじき3才になるマー君の成長ぶりに・・・いやはや、人さまの子供は大きくなるの早いねぇ とのコメントに頷く秀さんでごわした。

ここ最近はブログの更新も途切れがちでだらけている秀さんですがいつもご参加頂いているメンバーさんのためにも更新頻度を上げなければと・・・思うだけで実行が伴わないのが問題ですわ。どうかお許しを!

最近思うのですがベトナムに若い世代の方々が多く住むようになりましたねぇ。
10年前には想像だに出来ませんでした。
それだけグローバル化が進んだのでしょうか?
どうもそうでもないような気がしております。
一時はグローバル化という言葉がもてはされましたが昨今ではアメリカのトランプさんもグローバル化?
そんなことよりアメリカファーストじゃぃ! と言っており、TPP? そんなもんヤメじゃぃ!と吠えております。
経済のグローバル化でもたされたものは、自国生産の現象により雇用の減少、中間層の貧困化、所得格差の増大・・・
庶民にとっては何一つ良いことはなかったのではないでしょうかねぇ

イギリスのみならずフランスやスペイン、イタリアなどもEUを脱退しそうな雰囲気ですし世界的に行き過ぎたグローバル化の反動が出ているような気がします。

おっと! いつものようにアホの脱線話が続きそうなので本日は、この辺で終了っと!

また、3月18日の品友会でお会いしましょう!

カム・オン・にゅ〜



posted by 秀さん at 08:53| ハノイ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ホーチミン貧乏友の会編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月11日

トランプ大統領の経済政策の誤りを論理的に説明編

Systems Research社の吉田繁治氏の統計数字を使った経済分析にはいつも勉強させてもらっている秀さんです。
まぁ、勉強したところで・・・アホな秀さんが劇的に変化するわけではないですがね。
アホはいつまで経ってもアホなのです。へい

さて、今回はタイミング良くトランプ大統領の経済政策についての言及です。
秀さんも目からウロコ状態でしたわ。
江戸時代のような鎖国的経済政策をグローバル化した現代社会ではどの国も取ることが出来ませんね。
経済活動(金儲け)の関係が戦争回避に向かうとの考え方は一理ありますね。
国民感情とお金の流れは別物で幾ら中国が嫌いだアメリカが嫌いだと言って両国との経済取引を停止すれば双方にとって壊滅的な打撃になります。
江戸時代のように国際間の金儲けを諦めて貧乏でも自国内で全ての経済活動を賄う自国生産&消費に戻ることは今の生活より様々な面でレベル低下を招くことになります。

政治経済・・・呼んで字のごとく政治と経済は切り離せなくなっているのが現代社会の構造です。
経済的な豊かさを放棄して思想的生き方に現代社会の人間が変われればそれも可能でしょうが現実的には
無理ですね。
金に縛られない人間は数少なく誰しも金銭的な豊かさを望むのが現実です。
それは企業という経済活動の組織母体に我々の大半の人間が属している(従属させられている?)からですね。
封建時代と違い企業(活動)が我々の生き方を左右している現実をどう捉えるかは個人個人の自由ですが
お金儲けだけが人間の生き方の最上位項目ではないのではないのか? と最近の秀さんは思うことしきりです。

まぁ、アホの与太話はこの辺で転載記事に移ることにしましょう。

大変ためになる記事だと思います。


<Vol.368:トランプ政権の政策とその展開>

テーマ:90年代から潮流だった自由貿易の否定が何をもたらすか
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
おはようございます。連日メディアを賑わすのがトランプ氏の「大
統領令」です。閣僚が半分も決まっていないのに、20個以上。

中東の特定国への入国禁止令に対し、ワシントン州の地裁判事が違
憲とし、高裁も控訴審で地裁を支持し(2月9日)、争いは最高裁に
もちこまれました。

大統領令で大きなものは、
(1)環太平洋の自由貿易を目指していたTPPからの完全離脱、
(2)カナダとメキシコの間の自由貿易協定だったNAFTAの再検討
(一説では20%課税)、
(3)そして、入国禁止令です。

中国、日本、EUに対しては「政府の為替操作」の非難をしています。
日本政府は慌てて、異次元緩和は2%のインフレ目標のためであり、
円安は目的ではないと言い訳をしています。日銀が、通貨を増発す
れば、GDPとの関係で相対的な通貨価値は下がり、円安と日経平均
高に向かいやすくなります。

【次に大きな大統領令は、「劇的な減税」】
内政面では、数週後に、「驚くべき減税策」を出すという(トラン
プ氏本人)。

選挙中、35%の所得税を15%に下げて、10年間で$5兆(560兆円)
の減税をすると言っていたので、これでしょう。(注)方針を示す
ツィートをうけ、日米の株価が上昇しています。日経平均は前日比
471円高(+2.5%)の1万9378円(2月10日:後場)です。1日で2.
5%の上昇は大きい。

大統領令は、議会の議決のいらない政府の命令です。議会が作る法
と同じ効力をもちます。根拠は、大統領は、主権をもつ国民が選挙
で選び、その主権を委任していることです。国会の法に対する拒否
権もあり、これが、大統領権限の強さの理由になっています。

(注)主権(sovereignty)は、他の意思によって支配されない権力。
権力は強制力です。民主制では、国民が主権をもちます。中国では
国家主席の意思が、封建領主の王のように主権をもっています。

わが国では内閣の政令があります。しかし議院内閣制(議会が首相
を選ぶ間接民主制)なので、首相が政令を多く出すことはない。議
会の意思に反する政令が多いと、首相の不信任を可決できるからで
す。首相と内閣は、議会に従属しています。

大統領令は、裁判所が「違憲」の判決をしたとき(三審制)、議会
が大統領令に反する法を制定した場合、無効になります。

選挙中から言っていたトランプ政策のコアは7つです。

(1)特定国への入国禁止。
(2)自由貿易を否定し、特定国に15%から20%関税を課す。
(3)大幅な減税(5年で$5兆:560兆円)
(4)政府のインフラ投資(5年で$1兆:112兆円)
(5)リーマン危機以降の、金融規制のドッド・フランク法の廃止
(6)国民皆保険を目指していたオバマケアを停止する。
(7)GDPの実質成長率1.8%を4%に上げる。物価上昇率(2016年は
1.2%)を含む成長率では5%以上という高いものになります。

本稿では、中国、ドイツ、わが国が強く関係し、経済的にはもっと
も大きな自由貿易の否定が、何をもたらすかを論じます。

トランプ氏の経済への認識が、1980年代で止まっていることが、根
底の原因です。間違った認識の上に、無謀な王が武器をもったよう
に、大統領を乱発しています。

6か月から1年後には、議会が、大統領令を無効にする法を作って、
修正されると見ています。上院での共和党は、2議席だけの多数派
です。共和党からの2人の反乱(反トランプを言う共和党院マケイ
ンなど)で逆転するからです。民主党はもちろん反トランプです。

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<Vol.368:トランプ政権の政策とその展開>
     2017年2月10日:無料版

【目次】
1.TPPの目的
2.EU(欧州連合:28か国)は、自由貿易圏
3.NAFTAの設立
4.自由貿易のもとになった、リカードの比較生産費
5.比較生産費説の効果
6.TPPからの脱退
7.NAFTAとTPPからの離脱と、懲罰的な関税はどんな結果をもたらす


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■1.TPPの目的

TPPは、日本経済の成長のための輸出入の促進策として、異次元緩
和と並ぶ、政府の最重要政策でした。米国が離脱したことで、意味
がなくなっています。(注)残されたのは二国間協定。

新大統領は、北米圏の自由貿易協定であるNAFTA(カナダ、メキシ
コ)の見直し(事実上の廃止)も言っています。「鎖国」ではあり
ませんが、海外からの輸入を減らすために、「20%の高い関税」を
課すという。

【関税の意味は、国家の存立に至る】
黒船(軍事力)で脅威を受けていた明治政府にとって、輸入に自国
の意思で関税を課す「関税自主権(1907年:明治40年〜)」は、国
家の主権存立の基盤でした。

明治39年まで輸入税は5%でしたが、価格に関係がない従量税だっ
たため、太政官札(政府紙幣)の増刷のため高かったインフレの明
治初期には、関税は事実上、ゼロ%でした。

18世紀からの産業革命により、工業製品の価値(品質÷価格)で優
れていた米欧は、経済の面で、日本を植民地にしたのです。

海外の製品は無関税で輸入され、日本の金と美術品は、国際標準と
比べて安かったため、略奪的に米欧に流出しています。

【ソ連の崩壊で冷戦が終わった、90年代からの新自由主義】
1990年代からは、経済学的な「新自由主義」の思潮により、グロー
バリズム(国際主義)が推進されていた世界に、新大統領は米国優
先(=雇用の回復)の旗印のもとに、保護主義という「復古の棹
(さお)」をさします。

トランプの経済認識が1980年代までのものだからです。「トランプ
革命」という人もいますが、革命は主権を根底から覆すことですか
ら、それにはあたらない。しかし本人が意識する以上に、世界経済
への影響は大きい。

NFATAの廃止を言うトランプに対し、打撃を受けるメキシコは、
「同じ率の報復関税」を言っています。

2016年の対米貿易収支では、中国が$2507億(30兆円)、日本が約
6兆円の黒字です。

▼事実認識の誤りに基づく発言

トランプ発言は、70%が事実認識の誤りからの扇動であるという指
摘があります(反トランプのNYタイムズのファクト・チェック)。

【日米の関税は、アンフェアではない】
自動車は、日米貿易の不均衡の最大テーマです。日本からの輸出に
は、2.5%の関税が課されています。しかし日本の米国車の輸入に
対しては0%です。日米の関税では、米国のほうがアンフェアです。

【しかし日本車の米国内でのシェアは40%】
米国の、2016年の自動車販売台数(1755万台)では、(1)GM 18%、
(2)フォード15%、(3)トヨタ15%、(4)フィアット・クライ
スラー13%、(5)ホンダ9%、(6)日産9%、(7)現代4%です。

年間2800万台の中国についで、販売数で2位の米国で、日本車の合
計シェアは40%です。(注)日本国内では、中国の1/5.6の497万台
の販売(16年)です。

性能がよく故障が少ないため、中古車の価格が高い。これが2年で
車を変える米国での、人気の理由です。中古車が高いと、差額で新
車が安く買えるからです。日本車は新車が仮に100万円高くても、
トータル費用では安いからです。

【現地生産が多い】
日本メーカーの工場は、米国に13カ所です。現地生産は380万台。
欧州で170万台、アジアで950万台、世界では、米国の総自動車販売
に匹敵する1800万台が、日本メーカーの、2000年代で大きくなった
現地生産です。

日本からの対米輸出は、160万台(2016年)と少ない。
米国の雇用を使う現地生産が、380万台と2.4倍も多いのです。

貿易摩擦と、国内コストを上げた円高を主因に、2000年代には、生
産と輸出の構造が変わっています。(90年代から始まった、世界の
産業のグローバル化)

日本での米国車の販売シェアは0.4%でありほぼゼロです。トラン
プ氏は、関税でのアンフェアではなく、輸出入の「結果」を言って
います。

原因が何であれ、輸入車の米国販売は、米国の雇用を奪うから
「ノー」ということです。このため輸入に対しては、20%くらいの
懲罰的な関税を課すという。

【日本の製造業の変質】
平均的に言えば、東証一部に上場している大手製造業の売上の約
50%は、海外生産と輸出です。自動車や家電産業では、ほぼ70%で
す。

このため、円安・円高で、大きな影響を受け、「円安→日経平均
高」、「円高→日経平均安」というマネー構造が作られています。
円安になると、海外生産分の大手製造業の売上と利益が、円ベース
では増えて、円のコストは減るからです。円高では逆です。

日本にとって、20年の日米貿易摩擦を経た1990年代からのグローバ
ル化は、海外生産の増加でした。

【3度の貿易摩擦】
・1960年代は、日米繊維戦争と鉄鋼、
・1970年代は、家電と自動車産業、
・1980年代は、半導体での貿易摩擦でした。

日米の貿易摩擦が、1990年代の、内需振興策としての公共事業
(10年で400兆円)を生んだのです。米国が、日米構造協議で年40
兆円の公共事業を、日本政府に要求したからです。政府は、いつも
米国に従います。

この公共投資によって国債残が400兆円増えました。現在の「国債
危機と異次元緩和」の原因は、日米貿易摩擦にさかのぼれることが
わかります。

輸出を非難されたわが国の製造業は、海外に直接投資をし、金融業
は証券投資を海外に対して行い、生産も海外で行ってきたのです。

このため、1990年以降の26年間で、対外資産は948兆円(直接投資
151兆円、証券投資797兆円)と、GDPの1.8倍にもなっています。直
接投資と証券投資は、海外への円の流出でもあるので、日銀がマ
ネーを増発してもデフレになる構造ができあがったのです。

対外資産の増加は、海外(特に米国)の雇用増加でもあるのですが、
トランプ氏はこの事実も無視しています。米国の貿易赤字が一方的
に、米国の雇用を奪うと考えているからです。これは、1990年代か
らの、世界のグローバル経済化の進行を無視した考えです。

【経常収支が黒字続きだと、対外債権が増える】
米国のような経常収支の赤字国に対しては、資本の輸出(円売り/
ドル買い)が必要です。

日本は米国の証券(国債、デリバティブ証券、株)を買い続けてい
ます。経常収支の黒字分は、資本収支では赤字(マネーの国外流
出)になるからです。

その累積が、前記の米国を主とする対外資産903兆円、対外負債
580兆円、対外純資産323兆円です。対外投資は、「ドル買い/円売
り」として、円の海外流出(ドル買い)でもあるので、国内が需要
不足でデフレになった主因でもあります。(日銀資金循環表:16年
9月末) 

米国債や債券の購入というマネーの流れで、米国に行ったジャパン
マネーは、米国の需要になっています。貿易黒字が、対外資産にな
るというのが、これです。

■2.EU(欧州連合:28か国)は、自由貿易圏

【繰り返してきた欧州の戦争】
戦争を繰り返していた欧州が、武器の進歩で破壊的だった第二次世
界対戦のあと結成したのが、EUです。28か国が加盟し、域内では、
関税を課さない自由貿易圏です。これは、欧州の大国フランスと、
問題の根になっていたドイツの和解でした。総人口5億人で、GDPは
$16兆(1840兆円)と日本の3.5倍、米国の0.94倍の大きさです。

戦争は、経済面では貿易の制限や拒否から起こります。政治面では
支配(ガバナンス)です。政治的・経済的に支配するのが、植民地
です。第二次世界大戦は、植民地の争奪戦でした。

自由貿易にし、労働の移動も自由にして移民を許容し、お互いが工
場を作りあい、マネーが行き交う関係を作れば、利害が一致して、
戦争は起こりにくくなる。これが東京と大阪が戦争をしない理由で
す。幕末には、国内で封建領主間の「戦争」がありました。

ドイツは、スペインに多くの工場を作っています。スペインとは戦
争ができないでしょう。

(注)文面通りに読めば、憲法が交戦を禁じる日本では、戦争は過
去のものと考えられています。世界では、そうではありません。い
つも防衛戦と言い、軍事大国が侵略するのが戦争です。

【EUのビジョンは平和】
戦争を再び起こさないことが、欧州連合(EU)の理念(ビジョン)
でした。そのEUから離脱するのが英国です。米国は、北米の自由貿
易圏のNAFTAから離脱するでしょう。

言語を同じにし、文化にも共通性が高い米英が、相談はせずとも、
一致した行動をとっています。英米の国民の、文化的に共通な意思
が働いているのでしょう。

EUの上に、通貨でも統一を図ったのが、ユーロです(19か国)。ス
イスと英国が、EUとユーロに加盟しない国になります。

▼EUの上のユーロ

ユーロは、ロバート・マンデルの「最適通貨圏の理論(1961年)」
をもとにして作られています。

最適通貨圏が成立する4つの条件は、以下です。

(1)労働移動の自由(つまり移民の自由)
(2)文化的な障壁のなさ。つまり価値観が類似すること。
(3)資本移動の自由。マネーが自由に移動できること。
(4)通貨の価値を下げるインフレ率の低さで、類似性があること。
このため、財政赤字には限界をもうけねばならない。

ユーロでは、財政赤字の上限を、GDPの3%以内と定めています。し
かし、今はフランスが-3.3%、スペインが-4.6%、ギリシアが-7.
7%です。ちなみに日本はGDP比5.6%、中国は3.8%、米国も3.2%
の財政赤字です(2016年)。ドイツ(+1%)とスイス(+0.2%)を
除く世界は、財政赤字が拡大しています。

【ベルギーにあるEUが上位の政府】
ユーロ加盟国では、EUの事務局(連合政府)に対して政府の財政予
算を提出し、「承認」を受ける必要があります。

ギリシアの政府予算も、毎年、EUに提出され、財政赤字を修正され
ています。ギリシア国民は、こうしたEUによるギリシア支配に対し
て反抗し、暴動を起こしたのです。

【マネーと経済でのドイツ帝国】
EUは、政治的な独立はそのままにして(各国が政府をもつ)、経済
面では一国であるかのようなブロック圏を作っています。

マネーと経済では、メルケルを首相とするドイツ帝国とも言えます。
ドイツがもっとも強い経済だからです。(注)ドイツ銀行の危機は、
自己資本が少なく、実際は不良になっている対外債券の所有が多い
ためです。

第二次世界大戦は、ドイツと連合国(主要なものは英、仏、米、ソ
連)で始まっています。戦後のEUは、軍事力ではなく、経済力でド
イツが帝国を作ったものでしょう。

EUとユーロには、「域内平和」の理念があるのです。南欧の財政赤
字の大きさと英国の離脱を契機に、「最適通貨圏」の条件を満たさ
なくなったユーロがどうなるか、これには、別の論が必要です。
(注)本稿では、EUの将来までには踏み込みません。

■3.NAFTAの設立

北米3国(米国、カナダ、メキシコ:域内人口4億6000万人)では、
EUに対抗して、自由貿易圏が作られました(1994年)

(1)関税を課さない自由貿易の協定
(2)環境問題に関する協定
(3)労働の移動に関する協定、の3本柱からなります。

【メキシコ進出】
NFATAとともに、日本の製造業は、比較コストが低いメキシコに進
出しています。米国への輸出に、関税がかからないからです。政治
(=関税)は、このように、経済を変えます。

ユーロ加盟国だった英国に、日本の工場が進出したのと同じです。
日本からユーロに輸出すれば、5%の関税がかかります。英国の日
本工場からのユーロ域内への輸出は関税がゼロだったからです。金
融面では、英国で免許があれば、ユーロ加盟国でも営業ができたか
らです。

トランプ政権は、TPPのみでなく、NAFTAに向かっても離脱の方向を
言っています。

■4.自由貿易のもとになった、リカードの比較生産費

さてここから「知識」です。英国のリカード(リカードウとも表記
されます)が、経済学の古典、『経済学および課税の原理(1819年
初版)』で唱えた、比較生産費の論です。

サミュエルソンが、教科書『経済学』の中で、経済学での最大の発
見と書いていたので、当方も読みました。とても難しい。抽象化し
た思考が必要だからです。

貿易が起こる原因は、比較生産費が低いからである。生産費の安い
もの(生産性の高い商品)を輸出し、自国では生産費の高いものを
輸入する自由貿易をすれば、両国のGDP成長は高まるとする論です。
自由貿易を推進した経済論がこれです。

お互いが関税を課さず、輸入の制限もしない自由貿易にして、
(1)日本は自動車の、対米輸出を今より増やし、
(2)米国は農産物の、対日輸出を大きく増やせば、
(3)日米両国の、国民の所得(企業の利益+国民の所得)は、今
より増えるというものです。

新自由主義が推進したグローバリスムは、リカードの比較生産費の
立場に立っています。EUの成立とユーロも、域内の比較生産費の立
場にたっています。

経済学が自然科学なら「立場」や「説」、及びイデオロギーは な
くなります。米国派の医療や医薬というものがないのと同じです。
医療や医薬は、自然科学でしょう。経済学は科学ではありません。
国、文化、制度、政治的な統治で異なるからです。国で異なる自然
科学はないのです。

例えば中国の、共産党独裁体制下の経済学と、米国、日本、EUの経
済学は異なります。江戸時代の経済学と、現代日本の経済も違いま
す。以上の意味で、経済学は「時代と政府の意思を反映したイデオ
ロギー」です。経済学は、統治の学でもあったのです。

マルクス主義の医学、物理学、量子論はなくても、マルクス主義の
経済学はあります。他方、科学は政治的には中立です。

▼比較生産費の事例

リカードの原文では難しいので、単純化(モデル化)して述べます。
リカードがあげた事例に基づき、英国の毛織物とボルトガルのワイ
ンです。

英国では毛織物の生産費が低く、ポルトガルではワインの生産費が
低いとします。必要な労働量が多ければ、コストが高く国内の比較
生産費が高い。同じ1単位の商品を生産する労働量が少なければ、
比較生産費が低いことになります。

       ワイン生産の  毛織物生産の
       必要労働量   必要労働量
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ポルトガル   1人       2人     
英国      5人       4人
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)1単位の商品を生産するための労働量(コスト)。

・英国では、ワインと毛織物の、2単位の商品生産に9人が必要とし
ます。
・ポルトガルではワインと毛織物の2単位の商品生産に3人が必要と
します。
・両国の貿易前の生産量の合計は、4単位です。

上表の事例では、ポルトガルがワインと毛織物の両方で、
1単位を生産するための生産性が高く、価格は安い。

英国は、両方の生産性が低く、価格が高い。言い換えれば、ポルト
ガルは全体の「絶対生産費が低く」、英国は「高い」。

リカードは、この条件でも、両国が貿易をすれば、両国の利益が高
まり、お互いにGDPは増えると言います。直感では、生産費が高く、
価格が高い英国が損をする感じですが・・・

【国内での比較生産費の視点】
(1)ポルトガルでは、ワイン1単位を生産するのには1人の労働で
済みますが、毛織物1単位の生産では2人分が必要です。つまり、ポ
ルトガル内では、ワインの比較生産費が、毛織物の1/2(50%)と
低い。

(2)英国では、ワイン1単位を生産するのには5人分の労働が必要
ですが、毛織物の1単位では4人分とそれより少ない。英国内では、
ワインの、毛織物と比べた比較生産費が5/4(125%)と高い。つま
り、ワインと比較した、毛織物の国内での比較生産費は、4/5(80
%)と低い。(注)比較生産費は、他国ではなく、国内の産業間を
比べたものであることに留意してください。

ポルトガルは、両方の生産費が低い(絶対生産費が低い)。
英国では、両方の生産費が高い(絶対生産費が高い)。

英国が国内での比較生産費が高い安い毛織物を、ポルトガルに輸出
し、国内のワインの生産をやめて毛織物の生産に特化するとします。
(注)やめなくても、減らせば、弱まった類似の効果が出ます。

英国の労働が、輸入するワイン生産から、毛織物生産に移行すれば
どうなるか。生産性の高い毛織物の生産に、5人が加わりますから、
生産量は〔1単位(4人の労働)+1.25単位(5人の労働)=2.25単
位〕に増えます。英国の生産量(GDP)は貿易をしないときの2単位
から2.25単位に増えるのです。

同様に、ポルトガルの労働が、国内の比較生産費が高い毛織物生産
から、ワインの生産に移行すればどうなるか。生産性の高いワイン
の生産に、2人が加わりますから、生産量は〔1単位(1人の労働)
+2単位(2人の労働)=3単位〕に増えます。

貿易をする前の商品生産量は、
・ポルトガルがワイン1単位、毛織物1単位で、合計2単位(労働は
3人分)でした。
・英国でも、ワインと毛織物で、合計2単位(労働は9人分)でした。

ワインと毛織物を貿易して、労働が移動したあとの商品生産量は、
・ポルトガルの生産がワイン3単位(労働は3人分)に増えて、
・英国では毛織物が2.25単位(労働は9人分)に増えます。両国の
労働量は、貿易の開始前と同じです。

両国での合計生産量は、貿易前の4単位から、5.25単位へと31%増
えました。

これは両国の労働量が、貿易以前と同じでも、貿易以後は実質GDP
と所得が31%増えたことです(生産=所得=需要です)。このため、
両国で31%分、実質所得が上がります。

両国では、以下のことが起こります。
・毛織物の消費が2単位から2.25単位に13%増え、
・ワイン消費も、2単位から3単位へと50%増えます。

【リカードの結論】
・英国が、比較生産費が低い毛織物に特化し、
・ポルトガルも、国内の比較生産費が低いワインに生産を特化させ
ると、両国の国民は、貿易をした分、豊かになる。これが、リカー
ドの比較生産費説です。

常識と異なるのは、毛織物の生産費でも優れるポルトガルが、国内
の比較生産費が高いからという理由で毛織物の生産をやめて、英国
から輸入することです。これでも、両国の生産量と所得が増えるの
です。

■5.比較生産費説の効果

得意な商品の貿易により、両国民は、豊かになる。これが世GDPの
増加率より常に、貿易量を大きくしてきた比較生産費の説でした。

2015年の世界の輸入額は、1位米国$2.3兆(265兆円)、2位中国1.
6兆(184兆円)、3位ドイツ$1.1兆(127兆円)、4位日本$6500億
(75兆円)、5位英国$6300億(72兆円)、6位フランス$5700億
(66兆円)です。

貿易収支の黒字では、1位中国$3222億(37兆円)、2位ドイツ$
2285(26兆円)、3位ノルウェー$765億(8.8兆円)、4位オランダ
$623億(7.2兆円)、5位アイルランド$467億(5.4兆円)6位イタ
リア$257億(3.0兆円)です。3位以下は、過去の常識と異なるで
しょう。

貿易赤字では、1位米国$7414億(85兆円)、2位英国$1709(19兆
円)、3位フランス$907億(10兆円)、4位日本$728億(兆8.3兆
円)、5位トルコ$657億(7.5兆円)、6位スペイン$329億(3.8兆
円)です。

1980年代から約30年、貿易黒字を誇っていた日本は、貿易赤字で世
界4位の8.3兆円になっています。

なんと言っても、米国の赤字である85兆円が大きい。世界の貿易黒
字を、ブラックホールのように赤字国として引き受けているのが米
国です。(注)世界貿易では、黒字と赤字が等しい。

【米ドルの世界の通貨に対する実効レートの下落が、止まって、
上がることもある理由】

大きな貿易赤字の継続でも、米ドルが下がらないのは、貿易で使わ
れる国際通貨であるため、世界の貿易が増えるとドル買いが増える
からです。ドルを刷るだけで海外から商品が買える米国がもつ、基
軸通貨の特権です。

ドイツが中心になり、ユーロが作られたもっとも大きな理由は、欧
州がドル経済圏から逃れるためでした。貿易黒字で米ドルを貯めて
も、数年のスパンでは、1年に$1兆から$7000億(115兆円〜80兆
円)の貿易赤字のために、過剰に刷られたドルが下がって、ドル貯
蓄の価値が下がってきたからです。

自由貿易のEUが結成された理由は、前述のように、比較生産費の原
理から、
・域内貿易の自由化により、
・EU28か国のGDPが増えて、
・国民所得(企業所得+世帯所得)が増えるとされたからです。

自由貿易のEUの結成は、リカードの学説の功績でしょう。

■6.TPPからの脱退

TPP(環太平洋経済連携協定)には、太平洋を取り巻く日本を含み、
中国除く13か国が参加を表明しています。

太平洋圏のNAFTAとして、貿易の自由化による参加国の経済成長を
目的に、結成されようとしていたものです。米国の、永久不参加の
表明で、TPPは消えました。

【比較生産費説の問題】
リカードの比較生産費の問題は、労働移動の期間です。輸入産業の
労働者が、輸出産業の労働に移動しなければならない。

生産性の低い農業や一次産業から、生産性の高い工業への移動は、
個人の所得が増えるので、スムーズに進むでしょう。

わが国では、昭和22年(戦後2年目)の農業従事人口は、3353万人
でした。労働者のうちほぼ10人に4人は、農業従事者でした。2000
年には、これが389万人に減っています。2011年では261万人しかい
ません。

農村人口が、大挙して製造業に就職していた1960年代が、2008年ま
での中国のような、GDPと所得の二桁成長の経済だったのです。中
国では、2008年まででした。

工業から工業への移動は、進みにくい。生じる移動は、自動車や家
電産業から、生産性が低く、所得が低いことが多いサービス業です。

日本人は、生涯に3回職、業を変わります(平均勤務年数は11年)。
米国は、11回です(平均勤務年数3年)。米国の労働移動では、同
じ職種が多い。このため、輸入の増加による失業率は、5%から8%
と高くなっています。2016年6月は4.9%です。

以上から、1980年代以降の先進国では、現場労働では、労働移動に
よる所得の増加はない。米国の収入5分位での、実質所得は、1983
年を100としたとき、17年後の2010年では、以下になっています。
(注)物価上昇を引いた実質所得

【米国の世帯年収】             年率増加
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(1)年収上位層(20%) 100→200(2010年) 4.2%
(2)年収中位層(40%) 100→150(2010年) 2.4%
(3)年収下位層(40%) 100→120(2010年) 1.0%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)これが「格差」と言われることの正体です。

年収で5分位の上位層(労働の20%)は、1983年から2010年に、物
価上昇率を引いた実質年収は2倍になっています。1年に3%くらい
の平均インフレがあったので、年収の名目額で4倍でしょう。

一方で、40%を占める中位層は27年間の実質年収で1.5倍、同じく
40%の下位層は1.2倍に過ぎません。

米国での生産優先の支持は、中東部の、かつての工業地帯(インデ
ィアナ州、ミシガン州、イリノイ州、ニューヨーク州北部、ペンシ
ルバニア州、ウェストバージニア州)の、白人の中低所得層多かっ
た。

かつては民主党だった、ラストベルトでの勝利が、トランプを大統
領にしています。ラストは、鉄の赤サビです。工場がサビついて、
廃墟になった地帯という悲惨な意味です。

(注)日本の、子供あり世帯所得の平均は、1995年が頂点で781万
円でした。2014年は712万円で、9%減っています。
全世帯平均のピークは1994年の664万円でした。2014年は541万円で
19%も減っています。2000年以降に退職者(夫婦で約20万円の年金
が所得の70%)が増えたためです。

■7.NAFTAとTPPからの離脱と、懲罰的な関税はどんな結果をもたら
すか

NAFTAとTPPから米国が離脱し、大統領令で、輸入に対して35%の懲
罰的な関税を課したらどうなるか。35%ではなくても15%や10%で
も同じことが起こります。

第三国での生産を含む米国への輸出が多いのは、(1)中国、(2)
ドイツ、(3)日本です。

(1)中国では、パニック的に対米輸出が減少し、米国の輸入が減
ったリーマン危機と同じ結果になります。

中国のGDP成長は、2007年が14.2%でしたが、リーマン危機の影響
を受けた2009年は、9.2%に下がっています。GDPの実質成長が、輸
出の減少で5ポイント(%)下がっています。

(2)日本はリーマン危機の前のGDPの実質成長が2.19%(2007年)
でしたが、2009年にはマイナス5.5%と、経済循環での不況を超え
た、超不況になっています。

これに近いことが生じる可能性が高い。

(3)輸出がGDPの37%と世界でもっとも大きなドイツでは、2007年
が3.38%のGDP成長でしたが、2009年は日本とほぼ同じマイナス5.
57%の超不況でした。

対米輸出が多い3国には、リーマン危機後の米国の輸入減少とほぼ
同じことが、今度は金融要因からではなく、WTO(世界貿易機構)
違反の、差別的関税ショックとして、起こる可能性が高い。

米国で、商品生産の増加が起こるかと言えば、そうではない。変質
した米国製造業が、コストの高い国内に、工場を新設することは、
ほとんど、考えることができないからです。

長期的に見た場合、米国工場(特に自動車、家電、IT)の採算はと
れない。このためCEOは、大統領が誘っても、工場新設の決定はで
きないでしょう。

▼米国の生産の変化

現在の米国の代表的な製造業は、iPhoneやiPadを作るアップルです
(時価総額$6175億:71兆円:トヨタの20兆円の3.6倍)。アップ
ルは、中国や台湾の委託工場で作る企画生産型です。自社製品を輸
入して、販売しているユニクロのような企業です。

米国企業のアップル等の輸入に対する関税はどうするのか? 輸入
課税をすれば、アップルの商品は高くなって、売れなくなります。
これは、米国内アップルの雇用(流通に従事)を奪うのです。

世界最大の小売業(世界売上51.8兆円:2016年)であり、米国に
5000店をもつウォルマートの商品は、食品以外では90%以上が輸入
です。差別的関税で、ウォルマートの食品以外の価格も上がって、
売上が減ります。

ウォルマート以外でも、例えばファッションのGAPの商品はほぼ
100%が海外輸入です。関税がつけば、その分、価格を上げます。

他の店舗でも、同じです。食品以外は、ほぼ輸入だからです。米国
のメーカーは、製品を作らない企画生産型になっているからです
(ファブレス・メーカーともいう)。

輸入関税を課すことが、輸入型になってしまった米国企業の雇用を
増やすことは、ありません。むしろ、減らします。円安になると、
中国やベトナムからの仕入価格が上がるユニクロのようなSPA型の
生産・販売に変質したからです。

関税は、課税分がドル安になったことと同じように、海外商品の、
米国内での価格を上げます。

米国の自動車も、関税がないNAFTAのメキシコで作られているもの
が多い。米国の労賃より低いからです。廃墟に近くなっている、自
動車の都市デトロイトがそれを象徴しています。

期待されるラストベルトの復活はなく、
・関税では雇用が増えない米国世帯の所得は上がらす、
・一方で、商品物価が数%は上がる。

このため、米国に「関税不況」をもたらします。

世界に広がる「関税不況」は、金融のリーマンショックのように、
FRBのドル増発(QE)により2年で回復したようなものにはならない。
関税が続く限り、継続します。長期の世界不況になるでしょう。

米国も生産地が、アップルのようにグローバル化しているのに、生
産の事実を無視して、大恐慌の1929年〜33年、つまり85年前に戻っ
たような、復古的な関税をかけるからです。

数ヶ月後には、米国人も米国の生産構造の、後戻りができない変化
に気がつくかもしれません。

トランプ大統領には、この知識が明らかに不足しています。
補佐官、財務長官、商務長官が、一刻も早くアドバイスして、トラ
ンプ関税と自由貿易圏からの離脱をとどめるよう期待しています。

以上転載終了


posted by 秀さん at 05:03| ハノイ | Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナムで政治・経済雑感編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月05日

第91回ホーチミン品友会開催のご案内編

長いテト休暇も終わり明日からベトナムも通常モードになりますねぇ。
夏休み明けの子供のように気が重い方もおられるのではないでしょうか?
出来ることなら1年中お休みが続けば良いのに・・・・と思う方もおられるでしょう。
毎日が日曜日ですわ。
人間様は勝手なもので毎日毎日何もすることがないと落ち着かずまた結構寂しいものだと過去秀さんはある方から聞いたことがあります。
すること(仕事や学業)があるから休みが有難いのかも知れません。
皆忙しく働いている中でひとりぽつんと休んでみても楽しくないかも?ですね。

さて、前置きはこの辺でテト明けの品友会のご案内です。
皆さまの元気なお顔を拝出来るのを楽しみにしております。
初心者の方も大歓迎です!
多く方のご参加をお待ちしております。


第91回ホーチミン品友会開催のご案内

日時 2017年2月11日(土) 午後7時〜

場所 和食 花水木 15A5Le Tan Ton Dist.1(スカイガーデンの前)

予算 35万ドン前後を予定

2月10日(金)午前中までにご参加の可否をブログ下にあるコメント欄にお書き下さるようお願いいたします。

以上宜しくお願い申し上げます。



posted by 秀さん at 12:40| ハノイ ☀| Comment(5) | TrackBack(0) | ホーチミン貧乏友の会編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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