2010年03月16日

ベトナムでの海外企業編

ベトナムに住んでいると、いわゆる白モノ家電と言われる冷蔵庫や洗濯機等に関してはサンヨー、パナソニック、東芝等のメーカー品を良く見かけるが

電子機器と言われる製品、例えば携帯電話はサムソンがノキアと勢力を2分しているし、ノートパソコンに関しては日本でも同じですが台湾メーカーの台頭が著しい、液晶テレビに関しては韓国メーカーと日本メーカーが五分五分の戦いと言ったところでしょうか?
 

韓国の人口は約5千万人、日本の人口の半分にも満たない国ですが韓国メーカーのベトナム進出には目を見張るものがあります。

ベトナムでの韓国企業の知名度のダントツはサムスンさんですがLGやヒュンダイ(現代)自動車、その傘下にあるKIA(起亜)自動車も最近ではベトナムいたるところで目にします。 
ここ5〜6年程のベトナムでの韓国企業の躍進はめざましいものがあります。

日本人は所詮韓国のメーカーとは言っても日本から技術を学んで成長したもんだろ まだまだ日本企業に勝つわけはないと思っている方も多いのではないでしょうか?

しかしですな、実際に異国の地で暮らしていると日本で思う感覚とは違い、ベトナムの日々の生活の中から感じる実際の感覚は韓国企業のブランドも日本企業に負けず劣らずかなり力強く、ベトナム人の間でもかなり浸透して来ていることを実感します。

今後、日本、韓国、台湾に最近目覚しい発展を遂げる中国が加わり様々な製品をめぐっての国際競争が更に激化することでしょう。

その中で日本はリードすると言うより勝ち残れるのか と秀さんは不安でなりません。

何故かと言うと、かってのアメリカの一流企業が今ではほとんど世界の舞台で戦えなくなってきている歴史を知っているからです。 

後で転載する記事に書いているアメリカの3つの会社は秀さん馴染みが深いのであります。 

RCAはラジオやテレビ(白黒時代)では最古参の名門企業で一時はラジオ局(NBC)にレコード会社まで抱える大企業でしたが1986年に元々の親会社であったGEに買収されてしまいました。

今ではRCAブランドのものは消滅しておりますが、RCA端子”(通称ビデオ入力端子)として会社の名前が残っているのは哀れみを感じてしまいます。

昔アチュア無線をしていた時、無線用真空管(主に高価なファイナル管)と言えばRCAでした。
ちなみにRCA
Radio Corporation of Americaが社名の由来です。

 次にコダックさんですが、昔秀さんの会社で取引がありました。
当時、写真データ(当時は写真フィルム=アナログデータ)を今のようにPCで簡単にCD DVDに書き込むことなんて夢のまた夢でありまして、コダックが多分世界で一番最初にそのシステムを世に出したのではないかと思いますが・・・

当時そのシステム一式500万円以上したのではないでしょうか、昔のことなので記憶が定かではありませんが・・・
当時の秀さんの会社が日本で2番目か3番目の導入だったと思います。

今では写真データはデジタルに変わり家のパソコンで簡単にできる様になり500万円も出す人は精神病院行きでしょうな きっと!

イーストマン・コダック社はアメリカのロチェスター(Rochesterと言う町に本社があるのですが秀さんも訪問したことがあります。 

次はモトローラさんですが、日本で携帯と言うものが売り出された時に一番最初に お!こりゃカッコいいなと目にしたのがモトローラの携帯電話でした。
今の携帯と比べるとかなりデカイものですが、それまではNTTの単行本位の大きさのある携帯電話を使っていましたのでそのスマートさに驚いた記憶があります。

今では二流以下のブランドに落魄している現状を考えると企業の栄枯盛衰は他人事ではなく日本企業も限られた経営資源=お金、人材、研究開発、消費者心理の動きに合わせたマーケット動向等を上手くコントロールして行かないと同じような状況に陥るのは目に見えています。

秀さんも一応これでも日本人ですので日本企業に頑張ってもらいたいと切に思いますぞぃ。 

秀さんの昔を思い出させた記事は下記のものです。
参考までに 株式と経済展望http://blog.goo.ne.jp/2005tora/というブログから掲載します。 

次はまたアホブログに戻りま〜す。



以下掲載・・・・・・・・・  

アメリカは80年代半ば頃までは製造業でも技術力や資本の大きさで圧倒的な強さを持っていた。
RCAにしてもモトローラにしてもコダックにしても世界的なナンバーワン企業だった。
ところがそれらの市場を日本のソニーやパナソニックやフジフィルムなどが進出してきて市場競争で破れてしまった。
アメリカ企業は決して技術力で劣っていたわけではなく、液晶技術やデジタルカメラや携帯電話はアメリカ企業が発明したものだ。

ところが既存の市場を失うまいとして会社組織を時代の変化に合わせていくことに失敗してしまった。
RCAも既存のブラウン管テレビから液晶テレビに切り替える投資を惜しんでいる間にシャープがカラー液晶パネルを実用化してしまった。
ソニーもトリニトロン・ブラウン管テレビに拘るあまりに液晶テレビには遅れを取ったようなものだろう。

モトローラといえば携帯電話の代名詞のようなものでしたが、これもデジタル化の波に飲み込まれてしまった。
あまりにもアナログ式のインフラ投資に金をつぎ込んでしまっていた。起死回生のためにイリジウムと言う衛星を使った携帯電話は画期的なものでしたが、携帯電話の主流にはならず大失敗に終わった。

コダックにしてもフィルムの代名詞のような会社でしたが、デジタルカメラという全く異なる分野からの参入でフィルム式のカメラは廃れてしまった。
しかしデジタルカメラを開発したのはコダックでありながら、フィルムの現像やプリントなどの市場を切り捨てる事は不可能だっただろう。
しかしソニーやカシオなどの企業は既存の市場を持たなかったからデジタルカメラで市場を席巻する事ができた。

そしていまや攻守ところを変えて日本企業は韓国や台湾や中国企業に追い上げられる立場に立たされていますが、アメリカ企業のように対応を間違えれば市場を奪われて行くのだろうか? 「株式日記」でも韓国の液晶パネルやDRAMに負けた事を何度か書いてきましたが、アメリカ企業のように衰退していくのだろうか? 

アメリカはデジタル技術や情報通信技術ではトップでありながらも、デジタル化商品の開発の波の乗り遅れてしまった。
RCAやモトローラやコダックなどがどうして商品開発の波に乗り遅れてしまったのだろうか? 

それはブログでも触れられているように「社内や系列企業の既存事業とのしがらみがありすぎて、競合する製品を出せないのだ。」

それはソニーがウォークマンという市場やMDプレーヤーに拘りすぎて、アップル社のiPodに負けたように、日本のメーカーも二の舞いを踏みつつあるのだろうか? 

社内の部門を切り捨てる事は大きな決断を要する事であり、新分野へはどうしても切り替えることが難しい。

守りに拘りすぎれば新分野への投資は限られたものになり新興勢力に破れる。

ソニーはウォークマンやトリニトロン・カラーテレビで一時代を作りましたが、iPodやサムスンの液晶テレビに破れた。
その気は会社の幹部たちに経営判断の誤りがあったのですが、自分たちが築いた市場をまだ利益を上げているのに切り捨てる事が出来る事なのだろうか? 
社長が切り捨てると判断しても切り捨てられる部門の役員が反対するだろう。

いまや家電ではサムスンに日本のメーカーが束になってもかなわなくなってしまった。
パソコンにしても台湾のパソコンメーカーが世界の市場を支配するようになっている。

携帯電話も日本はガラパゴス化しているといわれますが、技術力がダントツでも世界市場を握る事ができなければアメリカの企業のように消えて行く運命にある。
 


ソニーVSサムスン 2009年9月14日 池田信夫 

ソニーは日本の代表的なグローバル企業だが、最近はグローバル化の失敗例として引き合いに出されるほうが多い。
他方、ソニーに代わってアジアの電機メーカーの雄になったのはサムスン電子だ。
本書は両社を比較し、その失敗と成功の要因を分析したものだ。

ソニーの最大の失敗は、大賀典雄社長の後継者に出井伸之氏を選んだことである。
彼は大賀氏が「消去法で選んだ」と口をすべらしたように、取締役の中でも末席で、ソニー本流の技術系でもなく、とりたてて実績があったわけでもなかった。
創業者のようなカリスマ性がない点を補うため、彼はカンパニー制にして各部門の独立性を高め、委員会設置会社にして取締役会が"active investor"として巨大化した組織を統治しようとした。

結果的には、これが失敗の原因だった。
各期のボトムラインだけを見て資産を組み替える持株会社のような分権型システムは、企業が成熟して開発投資が少なく、オペレーションの効率性だけが重要な産業(食品・流通など)には適しているが、ソニーのような研究開発型の企業には向いていない。

カンパニー制でEVAのような財務指標を基準にして事業を評価すると、各部門の利己的なインセンティブが強まり、短期的リターンを上げるために長期的な研究開発をおろそかにする傾向が生じる。
EVAを上げるにはレガシー事業を延命して設備投資を節約することが有利になるので、収益を上げていたテレビやVTRなどのアナログ事業が延命される結果になった。


致命的なのは、技術的にはアップルよりはるかに先行していた音楽配信システムで失敗したことだ。
要素技術は別々のカンパニーがもっていたが、それを統括するリーダーが不在だったため、バラバラに何種類ものシステムをつくり、子会社のレコード部門が著作権保護にこだわってMP3をサポートしなかった。

このようにハードウェアとコンテンツとプラットフォームが連携しなければできない補完性の強いビジネスでは、集権的な組織のほうがいいのだが、800以上の子会社を抱えて水ぶくれした組織と求心力の弱い経営陣では、整合的な戦略がとれなかった。

出井氏はこの問題を理解できず、「著作権の保護が弱いから音楽配信ができない」などと政府に苦情をいっていた。
(後略)
 



以上転載終了・・・・・・・・・・・

posted by 秀さん at 09:23| ハノイ ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | ベトナムで政治・経済雑感編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
秀さま。
まとめ読みさせて頂いてます。
まったく同感です。
大日本帝国は日中戦争、太平洋戦争で戦線を拡大しすぎて敗北しましたが、今の日本の大企業にも戦線を拡大しすぎて欠陥が目立ってきた例が多いようです。トヨタのケースを見ても本当に危ないです。
韓国も戦線を急拡大していますが、ベトナム在住韓国人は70万人と多く、ベトナムでは地の足が付いているように感じられます。
加えて、軍事戦略論を教えない日本の教育の在り方にも、危なさがあります。戦略論なしで突き進んだ大日本帝国陸軍の二の舞になりそうです。うすら寒くなります。

Posted by ひとみ at 2010年03月27日 19:00
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