2016年01月03日

「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでしたへの吉田繁治氏の反論

前々回、今年最後の経済記事転載編でのせた元大蔵官僚の高橋氏の論文に対して秀さんが尊敬する吉田繁治さんが反論を書いています。
まぁ、日銀を政府組織とみなすかどうかで判断が変わってきますね。
アメリカのFRBのように完全に民間組織ではありませんが、日銀はジャスダックに上場している株式会社です。
株式会社・・・・はぁ? 
また天下の日本銀行がジャスダック? とお思いの方がおられるかもしれませんが
事実です。1部上場でも2部上場でもなく新興市場とよばれるジャスダックですわ。

不思議ですねぇ また国の100%機関ではないということも不思議ではないでしょうか?
一応株式の55%は政府所有ということになっていますが残り45%は誰が株主なのか公表していません。
日銀は明治の初期(明治14年)に設立されたのですが、もろロスチャイルド系の息がかかっております。
いわゆるユダヤ金融資本と言われているグループです。
同時多発テロ以前において、政府が中央銀行を許可していない国は世界中で9カ国ありました。キューバ、北朝鮮、アフガニスタン、イラク、イラン、シリア、スーダン、リビア、パキスタンの9ヶ国です。
第2期のクリントン政権でアメリカの歴史上最初の女性国務長官になったオルブライト婆さんが1997年に米国議会での演説のなかで、ならず者国家 と呼んで非難した国々と一致します。
これらの殆どの国で過去戦争やら紛争が起こっております。いや、起こされています。
この辺は複雑な要素がてんこ盛りなので話しだすとキリがないのでやめておきますが、最近では通貨発行権を100%国が発行するように変えた国があります。アイスランドとハンガリーです。
またアメリカでも過去通貨発行権という国家が持つべき当然の権利を行使した為政者(リンカーンや直近ではJ.F.ケネディです。)がいましたが、いずれも暗殺されています。ユダヤの力の源である通貨の権利に触れる者は、何人であれ悲惨な目に遭うということでしょう。

さて、話が脱線してしまいました。
もとに戻しましょう。
前々回掲載の経済記事に対する吉田繁治さんの反論です。
経済記事ですので少し難解かもしれませんが読んでいて損のない考察ですよ!

では、

以下転載開始・・・・・・・・・・・

あけましておめでとうございます。刷毛で描いたような雲が浮かび、
穏やかな光が溢れる元旦の朝でした。

「旦(たん)」は、日がお日様、一が水平線で、その象形どおりに、
地平線に現れる太陽を示すという。今日はさすがに、人と車の通り
は少ない。

自宅での団欒という言葉は、明治時代風に古ぼけたものですが、
「欒(らん)」は、もつれた糸に言葉でけじめをつけるという意味
をもつという。なるほど、団欒とはそういったことだったのか。わ
れわれは、こうした言葉(=観念)で、外部世界を認識して、解釈
しています。

年末に読者の方からメールで、「政府の借金1000兆円はやっぱり嘘
だった」という元財務省の高橋洋一氏(以下、T氏)の記事が、ツ
イッターで回ってきて、それを読むと反論が難しそうですが、これ
は、本当のことですか」という問い合わせが、10通くらい来ました。


背後には、その100倍(つまり1000人余)の方が、同時に、同じ疑
問を持たれていると、推察しています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47156

「日銀が国債を買い続ければ、統合政府で見たとき、政府の債務は
なくなって、財政再建は完了するという論」です。

リフレ派のエコノミストは、T氏と同じようなことを言うので、実
際は、もっと多くの人が、同じ疑問をもっていて、「何かが違うよ
うな気がするが(直観)、反論ができない(論理)」という思いを
されているに違いない。

変だなと思う直観は、実は、正しい。しかし、どこがおかしいかを
論理的に示すには、経済学的なイマジネーションが必要です。

希望を書くべき新年号にふさわしいかと案じたのですが、重要なこ
となので、Q&Aの形式で書きます。これも、もつれたことに論理の
筋を通すという「団欒」と同じことでしょう。一家、家族、仲間、
あるいは人々の団欒は、希望に属することです。

出版社が1月1日の日経新聞に、新著『膨張する金融資産のパラドッ
クス』の広告を出してくれています。顔写真入りで気恥ずかしいの
ですが、新年のご挨拶といったところです。日経新聞をお取りの方
は、手許にあれば、ご覧になってください。

日銀による大量の国債の買いが、どんな意味をもち、どうなるかも
書いています。これからの資産作りで「お得」になると思えるので、
自薦します。

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本稿は、有料版・無料版共通とします。

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<Vol.346:新年特別号:
         マネタイゼーションの正と負の効果(1)>

     2016年1月2日:無料版・有料版共通

【目次】

1.政府のバランスシートの資産は、利用できるのか
2.日銀が国債を買えば、その分、政府の債務は減るのか
3.異次元緩和から5年後の2018年に、インフレ率が2%を超え3%に
 上がったとします
4.日銀が、保有国債を100兆円金融機関に売ったときのB/S
5.宿題:インフレ目標を達成しても、日銀が出口政策をとらないと、
 どうどうなるか

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.政府の資産は、どれくらい利用できるのか

▼Question1:
財務省が2014年3月時点として集計した「国の貸借対照表(B/S)」
では、中央政府の総負債は1143兆円です。資産は652兆円とされて
います。つまり純債務(資産の引き当てがない債務超過)は491兆
円です。日本政府には、他国より大きな資産があります。
https://www.mof.go.jp/budget/report/
public_finance_fact_sheet/fy2013/20150130gaiyou01.html

純債務491兆円と言えば、GDP(500兆円:15.08)の98%です。これ
なら、他国に比べて突出して多い(GDPの2倍以上)とは言えません。
日本政府の負債は、資産も多いので問題がないという人がT氏を筆
頭におられますが、この点については、いかがでしょうか。

【答え】

▼債務超過を問題にするときの前提

ここで問題にしているのは、
・単なる資産と負債の債務超過ではなく、
・財政破産に至る可能性がある債務超過かどうか、ということでし
ょう。

【有効な資産という観点】
土地や不動産などの固定資産や出資金が相当にあっても、換金でき
ないもの、あるいは換金すれば価値が大きく減るものが多ければ、
資金繰りには有効ではない。破産しやすい債務超過ということにな
ります。この時の資産は、売る時の時価で見なければならないので
す。

【事例】
事例で言います。ある会社が、主な資産として100億円で買った土
地をもつとします。負債は土地を買った時に借りた70億円です。B/
S(貸借対照表)では「簿価資産100億円―負債70億円=30億円のプ
ラス」です。ところが、その土地は20億円でしか買う人はいないと
します。実質では50億円の債務超過です。銀行の担保評価も、時価
の20億円でしかない。バブル期にはこうした会社が多く出ました。

この会社は、簿価上の資産はプラスでも、破産するのかどうか。B/
Sでは、(売れる資産価格の)実質では50億円の債務超過であり、
破産しています。債務超過は破産ということです。

しかし破産しない場合もあります。会社が例えば、インターネット
事業で年間に10億円の利益を出し、これからも同じ利益を出すと見
込まれているときです。

こうした場合、将来の利益を信用して、借入金の返済に必要な資金
(年間10億円)を追い貸しする銀行が出ますから、破産しません。

もしその会社の事業が赤字か利益が少ないなら、銀行は50億円の債
務超過に不安を感じるため、どこも約定返済(例えば年間10億円)
の借り替えには応じず、返済資金が足りなくなって破産します。

【重要な点はここ】
以上のような事例から、政府のB/S(貸借対照表)で重要になるの
は、以下の2点と言えます。

(1)資産の中で、売ることができるものの金額はいくらか。
(2)政府の財政赤字(35〜40兆円/年)が、
・将来縮小するのか、
・維持か、
・拡大し続けるのか。

政府が、将来、破産するかどうかで重要なのは、B/Sの債務超過よ
り、財政赤字の今後の見通しです。

以上のような前提を念頭に置き、以下を読んでください。

▼まず、政府の負債1143兆円

政府の負債1143兆円は、すべてが換金性の返済と利払いが必要な負
債です。以下の内容です(15.03.31:財務省)。
https://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2013/national/hy2013_point.pdf

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・政府短期証券 102兆円(財務省が外貨を買ったときの負債)
・公債      856兆円(財政赤字で増えてきた国債の残高)
・借入金     28兆円(政府の短期借入金)
・年金預り金  112兆円(国民年金と厚生年金の預り金)
・未払い金等   11兆円(経過勘定)
・その他負債   34兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 政府負債  1143兆円(2014年3月31日時点)

●この1143兆円の政府負債は、年間平均で31兆円の増加傾向と判断
していいものです。2009年1019兆円、2010年1013兆円、2011年
1088兆円、2012年1117兆円、2013年1143兆円と、1年平均で31兆円
増えています。

この負債は、全部、時期が来れば支払う必要がある負債です。

政府短期証券の102兆円は、財務省が、銀行から外貨(主は米ドル、
2番目がユーロ)を買いあげたときの、日銀と銀行への借入金です。
財務省はこれを「外貨準備」にしています。
(注)資産では、「有価省証券129兆円」に該当します。

公的年金の預り金(112兆円)は、国民年金(基礎年金と言う)と、
基礎年金に対して2階部分になる厚生年金(個人と会社が50%ずつ
保険料を負担)の保険料として、国民が払ってきた、月々の掛け金
からの預り金です。
(注)資産では、運用預託金の138兆円に該当します。

▼次は、資産653兆円(14.03.31時点)をその換金性で評価する

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
現金・預金    19兆円(換金性あり)
有価証券    129兆円(外貨準備:換金性あり)
貸付金   138兆円(独立行政法人等:若干の換金性)
運用預託金  105兆円(年金基金の運用:換金性あり)
出資金     66兆円(独立行政法人等:換金性あり)
有形固定資産  178兆円(換金性はほとんどない)
その他資産    17兆円(換金性あり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
政府管理の資産 653兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うち換金性資産 475兆円(固定資産を除いた換金性の資産)
換金性負債   1143兆円(ほぼ全部の負債が換金性あり)
債務超過    668兆円(換金性で見た債務超過額)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

政府や公団が管理している有形固定資産は、河川工事、道路、橋、
トンネルが多く、ほとんどのものに換金性がありません。

河川工事に公共事業費が使われていても、その利根川や信濃川を買
って事業に使う企業はない。道路や山林も同じで、有料化して民営
にするのは無理です。省庁の建物や公共施設も同じでしょう。

●以上から、いざというとき換金できる政府の資産は、475兆円で
す。満期には払う必要がある負債は、1143兆円でした。ここから、
換金性の観点での政府の債務超過は、668兆円と見積もられます。

(注)財務省が作ったB/Sの債務超過は490兆円(14.03.31)とされ
ています。ここでの計算では、換金性ない有形固定資産の分(178
兆円)が膨らんで、債務超過は668兆円です。GDP(500兆円)分の1.
33倍です。

GDPの1.33年分の債務超過668兆円と言っても、それが将来の財政破
産という観点で意味をもつものではありません。肝心なことは、こ
の純債務が、今後大きく膨らむのか、減少するのか、です。

2009年から2013年度までのこの純債務の増加は124兆円(1019兆円
→1143兆円)です。年間の純債務の増加は、年平均で31兆円です。

【分岐点】
▼(1)財政破産が起こらないとき

純債務の増加年31兆円が、25兆円、20兆円、15兆円、10兆円・・・
年5兆円(GDPの1%程度)と減って行くか、それ以上の傾向で減っ
て行くと認識されれば、国債の金利高騰からの財政破産は起こらな
いでしょう。

現在の債務超過(実質668兆円)の金額は、国債を買う金融市場に
受け入れられた結果です。その金額が多いかどうか。世界1多くて
も、国債の金利高騰がなく、すでに、乗り越えられています。

問題になるのは過去ではない。将来の純債務の増え方です。

▼(2)財政破産になるとき

年間純債務31兆円が同じか、5兆円ずつ増えるというように金融市
場で認識されると、国債リスクの観点から、国債の金利が上がって
行き、いずれ、国債の金利高騰が起こる時が来て、財政破産します。

この時期はいつか? 次に述べる将来のインフレ率と関係します。
インフレ率は、人々が債券に要求する期待金利を上げるからです。
(注)結論を言と、2018年ころからは、危なくなるでしょう。

【注記事項】
・普通の時期の国債の理論金利=
実質GDPの期待成長率+期待インフレ率

・財政危機が認識されたときの国債の理論金利=
実質GDPの期待成長率+期待インフレ率+リスク率

リスク率は、債券の回収を保証する保険(CDS)の料率に相当する
ものです。

2010年のギリシア危機のとき、ギリシア債にかかったCDSは最大70
%、スペイン債では7%、ポルトガル債7%、イタリア債では7%に
高騰しました。

2015年12月現在、ECB(ユーロの中央銀行)が支援しているギリシ
ア国債のCDSは、10.8%くらいです。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=Cggb1u5%3AIND

■2.日銀が国債を買えば、その分、政府の債務は減るのか

Question2:
▼T氏は、15年12月28日の記事で、日銀が国債を買った分、政府の
債務は減ると言っています。他のリフレ派のエコノミストにも、H
氏などを代表に、同じことを言う人が多い。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47156

日銀が国債を買えば、その分、政府の債務は減ったと見ていいので
しょうか? ここが分からない。常識で言えば変ですが、著名なエ
コノミストも言っています。

もしそれが正しいなら、1000兆円の国債を日銀が買ってしまえば、
政府の債務はゼロになります。政府は税金を全廃でき、代わりに国
債を発行して日銀に買ってもらえばいいことにもなるでしょう。

日本も世界も無税国家になりえます。
これはすごいことになりますけれど。

【答え】
日銀が国債を買うことによって、国債残高が減るように見えるのは、
日銀と政府を連結で見た「統合政府」を想定したときです。ただし、
実際に、政府の財政赤字に対応する国債残が減るわけではない。日
銀がもつからです。

日銀株は政府が55%をもつので、経産省のような政府の省庁として
見れば、「統合政府」になります。以下、資産・負債を対応させる
ことができる、「振替伝票」(B/S風)で見て行きます。左側に資
産に増加(または負債の減少)が書かれ、右側に資産の減少(また
は負債の増加)が書かれます。

▼(1)政府の、国債発行に関するB/S

  借方(資産)      貸方(負債)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
累積財政赤字 1000兆円  国債発行残高 1000兆円 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これが政府の累積財政赤字(マイナスの資産)に該当する部分の、
政府B/Sです。

▼(2)日銀の国債保有は328兆円です(15.12.22)

  借方(資産)      貸方(負債)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
国債保有   328兆円   発行銀行券 96兆円 
              当座預金  247兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これが、日銀が買ってきた国債(328兆円:115.12.22)に関する部
分のB/Sです。国債だけに関するB/Sでは、他の勘定にも紛れ込むの
で、資産・負債の差異が出ます。右側の負債は合計で343兆円です。
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/
2015/ac151220.htm/

発行銀行券(96兆円)は、日銀が発行し、市中で流通している1万
円札(96億枚)です。当座預金(247兆円)は、国債を買った日銀
が、それを売った銀行が日銀にもつ当座預金の口座に代金を振り込
んだものの合計です(日銀と取引がある全部の金融機関分です)。

2008年のリーマン危機以降の日銀は、FRBをまねて、この当座預金
に0.1%の特別金利をつけて、預かっています。

▼(3)統合政府=国債に関する政府と日銀のB/Sの連結を

   借方(資産)      貸方(負債)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
財政赤字 1000兆円    発行銀行券   96兆円
              当座預金    247兆円
              国債発行    657兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

政府と日銀を連結にすると、政府が発行した国債343兆円は、日銀
がもつ日銀資産の国債343兆円と相殺されたと見ることもできます。

(注)日銀の国債保有は15年12月22日時点では328兆円ですが、こ
こでは便宜上、発行銀行券(96兆円)と当座預金(247兆円)の合
計343兆円と同じ額としています。

日銀がもつ国債は343兆円ですが、連結した「統合政府」では、
343兆円は部門間の貸し借りとして内部取引になり、資産・負債が
相殺されるからです。

この結果、343兆円の国債が「消えたかのよう見え」、上記(3)の
B/Sのように、「統合政府」の負債は、
(1)発行銀行券96兆円、
(2)当座預金247兆円、
(3)そして日銀以外の金融機関がもつ国債657兆円(海外は100兆
円)になるのです。

(注)実際には、消えていません。「統合政府」としての、日銀が
もつ国債を相殺した連結B/Sでは、そう見えるだけです。

343兆円の国債は、「統合政府」では、発行銀行券の96兆円、当座
預金247兆円に振り替わっています。このため343兆円の国債がなく
なって、償還と利払いの要らない現金と当座預金(普通は金利ゼ
ロ)になったように「見える」のです。

●T氏は、以上のことを
(1)日銀が国債を買えば、その分、国債は減る。日銀が買った国
債は、現金と当座預金に振り替わるが、現金と当座預金は利払いも
返済も要らない負債である。
(2)日銀が買った国債分は、「国債が減った」と見なしていいと
いっています。

これは、T氏のように「統合政府を想定すれば」この通りです。
しかし、以下で重要なことを言います。

▼インフレにならない限りは、T氏の立論は正しい

インフレならない限り、日銀は、毎年80兆円の国債を買い増す異次
元緩和を続けるでしょう。インフレ率2%以下が2018年まで続いた
とすれば、統合政府のB/Sは、以下になるでしょう。

〔前提〕
政府の国債の新規増発が35兆円/年、日銀が買いとる金額を年80兆
円とします。これから3年分は3倍です。金融市場での現金需要の増
加は少ないので、現在の96兆円と同じとします。

以下のように、
・当座預金は日銀が国債を買った分(240兆円)増えて、
・国債発行は135兆円分減ったように見えます。

【2018年末の、統合政府のB/S(想定)】
    借方(資産)       貸方(負債)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
国債発行  1105兆円    発行銀行券  96兆円
               当座預金   487兆円
              国債発行   522兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

日銀がもつ国債は、327兆円から567兆円(発行高の51%)に増えま
す。このため金融機関が預ける当座預金の残高が487兆円へと、15
年12月22日より240兆円(80兆円×3年分)膨らみます。

日銀以外の金融機関がもつ国債は522兆円と、現在(657兆円)より、
135兆円も減ります。日銀が1年に80兆円分を買って、金融機関がも
っていた国債を「買い剥(は)がした」からです。

このとき、国債の金利は、10年物ものも、マイナスになっているで
しょう。国債の金利がマイナスとは、発行額面100万円の新規債を、
日銀が、(例えば)101万円で買うということです(−1%の金利)。
このとき、政府から100万円の発行価格で買った銀行は、右から左
に日銀に売ると、1万円の利益が1日で出ます。日銀が無理やり国債
を買い続ければ、マイナス金利という「おまけ」をつけて買うこと
になります。

わが国が2%のインフレにならない限り、日銀が国債の買いを増や
すと、その分、政府の発行国債は減って、現金と当座預金に振り替
わります。

【まとめ】
以上のように、「日銀の負債である当座預金に振り替わる」という
意味では、T氏が言った「日銀が国債を買い増せば、政府の借金は
減ったようになる」というのは、間違いではない。

▼しかし、インフレになると異なってくる

このため、財政破産はありえないと言うのが、T氏とリフレ派です。
ところが日銀が国債を買い増しても、政府の財政破産はあり得るの
です。それは、異次元緩和の目的であるインフレになったときです。
 ↓
●2%から3%くらいのインフレになると、日銀が買って金利ゼロの
当座預金になっていた国債は、再び、金利のつく国債に戻らねばな
らなくなるからです。

といっても、分かりにくいでしょう。以下で説明します。今のとこ
ろ、こうした論評は見当たりません。このためT氏が、「偽説を言
いまくっている」ように思えます。反論する人がいないからです。
ここで反論します。

■3.異次元緩和から5年後の2018年に、インフレ率が2%を超え3%
に上がったとします

Question3:
T氏は、日銀が国債を買えば、その分政府の負債は減るから、財政
破産はあり得ないと言っています。これは正しいでしょうか?

【答え】
端的に言って、誤りです。T氏の「偽説」は、異次元緩和が消費者
物価を2%上げるという目標を、2年遅れくらいで達成したとき、誰
の目にも明らかになります。

〔期待インフレ率と期待金利の関係〕
消費者物価の前年比での上昇が2%になることが定着してくると、
人々の期待インフレ率も、2%に向かって上がってきます。

期待インフレ率は、期待金利を上げるように働くのです。
〔理論的な期待金利=期待実質GDP上昇率+期待物価上昇率〕です。

2018年に、人々の予想が、
・実質GDPは1%上がるだろう、
・物価は2%上がるだろうという予想に変わっていくと、
理論的な期待金利が、〔1%+2%=3%付近〕に上がってきます。

〔米国のインフレ率と期待金利〕
例えば米国では、インフレ率は2010年が1.6%、2011年3.1%、
2013年が1.5%、2014年が1.6%でした(年平均)。2015年は、原油
価格の下落から、0.09%に下がっています(10月時点)。
http://ecodb.net/country/US/imf_inflation.html

対応する長期金利(10年債の利回り)は、2010年平均3%、2011年
2%、2013年3%、2014年2%付近です。長期金利と期待インフレ率
は、ほぼ比例しています。期待物価上昇率は、長期金利の原因にな
るものです。

(注)現在の日本では、消費者物価上昇も0%、長期金利0.27%で
す(15年12月)。消費税の増税後(14年4月〜)の物価の上昇率の
低下ともに期待物価上昇率も下がり、同時に長期金利も0.50%
(15年6月)から0.27%に下がっています。
日本の物価も、インフレ目標を達成して2%や3%上がるようになる
と、期待金利も2%には上がります。

▼期待金利が2%に上がったとき

2018年度末時点では、0.1%しか利回りがない日銀の当座預金に
487兆円も置いている金融機関は、期待金利が2%に上がった時、こ
のまま置いておくことはできません。日銀から国債を買って、自行
が預けている当座預金を減らす必要が出てくるのです。銀行が預か
る預金金利も上がり、資金需要が増えて貸出の金利も上がるからで
す。

期待物価上昇が2%になると、日本も「流動性の罠」から脱出して、
米国のように「貨幣数量説」が復活します。

(注)貨幣数量説とは、〔M(マネーサプライ量)×V(流通速度)
=P(物価水準)×T(実質GDP)〕です。インフレになって金利が、
ゼロを脱すると、このように、マネーサプライの増加が、物価と
GDPを上げるようになります。これが貨幣数量説の復活です。

【日銀が買って来た国債を、金融機関に売り戻すことが出口政策】
このとき日銀は、
・当座預金の金利を2%(期待金利)に上げるか、
・国債を金融機関に売って、金利を上げることを迫られます。
つまり日銀は量的緩和を停止し、出口政策に向かわねばならない時
期に至るのです。

日銀が国債を売ると、国債は下落し利回りは上がります。そのとき
の期待物価上昇率が2%付近なら、国債の利回りも2%近傍になるよ
うに上がります。

この時は、日銀が金融機関に国債を売りますから、以下の、日銀が
100兆円の国債を売ったときの取引が行われます。

■4.日銀が、保有国債を100兆円金融機関に売ったときのB/S

【日銀が、金融機関に国債を売り戻すときのB/S】

借方(資産)        貸方(負債)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
当座預金の減少  100兆円   国債売却  100兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これが、日銀が買ってきた国債を金融機関に100兆円売って、金融
機関が所有する当座預金から100兆円のマネーを吸収する取引です。
当座預金の残高が100兆円減ります。

これは「マネー量(当座預金)の引き締め」になります。増やして
きたマネー量が減ると、利上げをしたかのように金利が上がります。
金利が上がれば、国債の流通価格は下がります。金利を下げて、国
債価格を上げてきた量的緩和の逆になるのが、出口政策です。

【金融機関がもつ国債が減っていた時】
日銀が異次元緩和で1年に80兆円も金融機関から国債を買いあげて
いるときは、政府の新規国債の発行は35兆円/年くらいなので、金
融機関がもつ国債は、日銀が買いあげた分減ったように見えていま
した。金融機関の保有国債は、1年に45兆円の割合で減っていたか
らです。

以上が、T氏が「日銀が国債を買いあげると、政府の国債発行は、
日銀と連結した『統合政府』で見れば減ったようになる」と言って
いることの正体です。実際には、政府の国債発行は減っていません。
政府部門と見ることができる日銀の保有が増えて、金融機関の保有
が減っていただけです。

▼(日銀以外の)金融機関がもつ国債が、再び増えるとき

物価が上がり、期待金利が上がってくると、日銀は、「出口政策」
をとらねばならなくなります。出口政策をとらないとインフレが昂
進し、ますます市場の期待金利は上って、円も下落し、国債の流通
価格が下落するからです。

出口政策とは、上記の振替伝票(日銀が国債を売るときのB/S)で
示したように、日銀が金融機関から買いあげてきた国債を売って、
当座預金を減らすことです。このとき、日銀が金融機関に国債を売
った分、金融機関の保有国債は増えます。国債という政府負債は、
日銀の増加保有によって減っていたわけではなかったからです。

日銀が売らねばならなくなったときは、金融機関の保有になって、
減っていた分がまた増えます。日銀の、大きくなった保有国債の売
りとともに市場の期待金利は一層上がり、国債の流通価格は大きく
下がるでしょう。(注)これが財政破産の引き金を引くことになり
ます。

【まとめ】
T氏が言う、「日銀が国債を買いあげれば、国債は減る」というこ
とは、正確には「日銀が国債を買いあげれば、日銀以外がもつ国債
は減る」ということです。

日銀による、低い金利の国債を高い価格での買いあげることが増え
るから、金融機関の国債保有が減るのです。繰り返し言えば、政府
の発行国債が、実際に減っていたわけではありません。

【偽説である】
T氏は、日銀が出口政策では国債を売らねばならないことを無視し、
「日銀が国債を買い上げれば、国債は減る」という偽説を言ってい
ます。T氏から偽説を言われて、反論できないエコニミストは、情
けなく思えますね。

■5.宿題:インフレ目標を達成しても、日銀が出口政策をとらない
と、どうどうなるか

Q4:日銀が「出口政策」をとると、金利が上がって国債価格が下が
るなら、「永久に」国債を買い続ける異次元緩和を続ければいいの
ではないでしょうか。日銀が国債の全部を買いあげると、どうなる
のでしょう。

【答え】
この答えは、あなたも考えてみてください。一旦、ここで送ります。
次号を送るまえに、どんな答えが準備されているでしょうか。


以上転載終了・・・・・・・・・・・・

まぁ、長きに渡り生活基盤をベトナムに移している秀さんです。
日本に大きな資産があるわけでもないので国の借金なんて記事はあまり関係がないですわ と突き放して言いたいところですが、これでも一応自国を愛する日本国民の秀さんとしては異国の地においても自分の国の将来が気になります。孫のマー君もいることですしね!
もう地球の石油が枯渇するなんて少し前に言われておりましたが、中国が経済成長で石油をがぶ飲みしても一向に枯渇なんてしておりませんねぇ。世界中に発信された経済や政治の記事に対しては幾重にもフィルターをかけメディアの発信する経済記事のその裏を読まないといけません。
それよりは経済(=お金)に振り回されない生き方を模索した方が人類はより幸せになれるのではないかとアホの秀さんは最近は強く思うようになりました。

とはいったものの日々のおまんま代を得るために明日からまた仕事開始です。
花鳥風月の日々を夢見ながらも・・・ささやかな糧を得るために日々頑張らなければいけません。
理想と現実の違いは大きいですが、それが私の人生なのだと達観することにしましょう!

では、本日はこの辺で

皆さま、ごきげんようさようなら











posted by 秀さん at 06:14| ハノイ 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | ベトナムで政治・経済雑感編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
で、いつインフレになるんですかって感じですけどね。
ベトナムみたいにインフレしてから言って欲しいです。
Posted by あs at 2016年01月03日 06:58
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