2016年12月27日

この記事は是非読んでおいて損はないと思われます編

はぁ〜 よいよいっと! 
へい、いつものように転載時期ですが今回はとてもためになると言うかよく分析された記事だと思います。
これが無料で読めるなんてラッキーというか筆者の懐の広さに感謝です。

経済動向に関係のある方は是非お読みください。
秀さんの場合は100%関係ないのですが元々長く経済を勉強して来た学生の気分で読んでおります。
皆さまのご参考になれば幸甚です。
ビジネス知識源様に感謝です。

以下転載開始

<Vol.366:トランプ相場は2017年も続くのか>

        Systems Research Ltd. 吉田繁治 41889部
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

おはようございます。2016年も、押し迫りました。正月休みにはい
った方もあるようです。2016年の政治、そして経済で驚きは、米国
メディアがこぞって反対を述べていたトランプの当選でした(54社
中52社)。

事前には、トランプが「金融緩和を続けるFRB議長イエレンの首を
すげ変える」と言っていたことから、市場の暴落が予想されていま
した。

開票の初期にトランプが有利になると、市場は、確かにドル売り
(ドル安)、米国株売り(ダウ下落)、円買い(円高)、日経平均
の売り(日経平均安)で答えました(11月9日)。

しかしそれは一瞬でした。下げたあと、逆のドル買い、米国株買い、
円売り、日経平均高の相場になったのです。

本稿では、
(1)事前予想とは逆のマネーの流れがなぜ起ったのか、原因から
見極め、
(2)トランプ相場が2017年の1月、2月も続くのか、
(3)2012年10月から2013年のような、長期的な円安、株高になる
のかを予想します。

見方は、二つに分かれています。

(1)トランプ相場が続く。円は1ドル120円を超えて下がり、130円、
140円にもなる。この円安が続くと、日経平均は2万3000円を超え、
2万5000円も目指すだろう。

(2)トランプ相場は終わる。1ドル117.1円(12月26日午前11時)
は、次第に上がって、1万9410円(同日・同時刻)に上がっている
日経平均は、2万円を超えることはできず、下がるだろう。円安も、
120円をピークにゆり戻す。

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<Vol.366:トランプ相場は2017年も続くのか>
    2016年12月26日:無料版

【目次】

1.トランプ大統領の決定後、ドル高、米国株高になった理由
2.世界の金融市場は「織り込み相場」になっている
3.円安/ドル高と、日経平均の上昇の理由
4.なぜトランプ相場が、円安(ドル高)、日経平均高になったのか
5.ヘッジファンドが日本株を買い増すときは、
円の先物売りで、円安をヘッジする
6.トランプ相場をまとめれば
7.2017年の予想

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■1.トランプ大統領の決定後、ドル高、米国株高になった理由

想定外だったトランプ相場を解く鍵になるのは、米国の10年債の金
利の動きです。国債は、売りが増えると価格は下がり、金利は上が
ります。

▼国債の価格と、市場の金利の原理

金利が1.6%のとき発行された10年債(発行金利1.6%)は、市場の
期待金利が2.6%に上がると、以下のように価格を下げます。
(注)残存期間9年を事例にします。

(1+発行金利1.6%×9年)
÷(1+期待金利2.6%×9年)=1.144÷1.234≒0.927

●$1万の額面の国債が、$9270へと、7.3%下がります。

国債は固定金利です。投資家の集合が考える期待金利が上がった場
合、流通価格が下がることによって、市場の期待金利に利回りを一
致させます。(注)逆に、期待金利が発行金利より下がったときは、
国債価格は上がります。

残存期間9年、発行金利1.6%の長期国債の価格が、7.3%下がると
満期までの利払いは、期待金利である2.6%に一致します(注)本
当は複利ですが、3%以下では単利との差が小さいので単利で計算
します。

下がった国債を$9270で買ったとき、金利1.6%の国債の9年後の元
利合計は、以下になります。(注)元本の償還額は額面の$1万で
すが、金利は発行時の1.6%しかつきません。

$1万×(1+発行金利1.6%×9年)=$1万×1.144=$1万1440

満期には元利の合計が$1万1440になる国債を、$9270で買ったの
で、9年間の平均利回りは、以下になります。

金利部分=元利合計1万1440−購入価格$9270=$2170
金利部分$2170÷購入価格$9270÷9年≒2.6%=市場の期待金利

つまり、
・額面$1万、発行金利1.6%、残存期間9年の国債は、
・市場の価格が$9270へと7.3%下がると、
・その利回りは、上がった金利2.6%に一致します。

以上が、金利が固定されている国債と、変化する市場の期待金利の
原理です。期待金利が発行金利より上がると、国債価格は下がり、
期待金利が下がると、価格が上がって調整されるのです。

1980年後半からの金融自由化により、日米欧の長期金利は、長期国
債の売買価格によって、決まるようになっています。

現在の中央銀行の公定歩合(中央銀行が銀行に貸すときの金利)は、
短期金利を誘導するに過ぎないのです。

▼米国の長期金利は、トランプ当選前の11月4日から上がり始めた

トランプ当選が決まったのは、11月9日です。長期金利は、その前
週の11月4日から、上がり始めています。これは、期待金利の上昇
を予想した国債の売りの超過があったことと示します。


・9月〜10月の長期金利 1.5%〜1.7%
・11月4日の長期金利  1.68%
・11月10日      2.11%(トランプ当選後)
・12月23日      2.54%(〜現在)      
(ヤフー・ファイナンス)
http://finance.yahoo.com/quote/%5ETNX?ltr=1

以上の金利の動きは、
・投票日の1週間前に、トランプの当選を予測したヘッジファンド
による米国債売りが始まり、
・当選確定から、米国債の売りが本格化したことを示しています。

なぜトランプの当選が予想できていたのか。おそらくグーグルです。
グールグは、世界中のWEBの記事とメールを収集して、AI(人工知
能)で予測しています。

グーグルのサーバーには、世界のWEBのコピー情報があるからです。
8年数ヶ月前、グーグルは、泡沫候補とも見られていたオバマの当
選を予想していました。そのとき、「なぜ、グールグはオバマの当
選を予想できたのか」と話題になったのです。その後、グーグルは、
社会、政治、経済についての予想を公開しなくなりました。

今回も、米国を中心とするWEB情報とメールのAI分析から、「トラ
ップ当選」を予測していたものと推察します。

これが、11月4日から米国債が売られて、金利が上がり始めた理由
でしょう。

■2.世界の金融市場は「織り込み相場」になっている

【織り込みの増加】
織り込みとは、3か月後から6か月後の、金融・経済のファンダメン
タルズ(金利、GDP、企業利益、通貨、物価などの実体経済の指
標)を予想し、それが実現したかのような売買を、今日行うことで
す。

08年のリーマン危機のあと、中央銀行の巨大な金融緩和の合計約
1100兆円)により、金融機関の当座預金には、現金があふれ続けて
います。(米国$4兆(468兆円)、欧州$2兆(234兆円)、日本
400兆円)

このゼロ金利マネーが「織り込み相場」に拍車をかけているのです。

【選挙公約】
トランプは、選挙中に、経済面では2つの公約をしていました。
(1)10年で$6兆(700兆円)の減税
(2)10年で$1兆(117兆円)の公共投資
(注)クリントン候補は逆に、財政赤字を解消するための$1兆の
増税の公約でした。

【米国の財政赤字】
米国は、財政赤字(税収が少なく、政府支出が超過すること)を続
けています。2010年が$1.6兆、11年1.5兆、12年1.3兆、13年$
7300億、14年7200億、15年6200億、16年予想$7600億(88兆円)の
赤字です。

米国の連邦政府の総債務は、$20兆と巨大です(2016年:2340兆円
:GDP比108%)。リーマン危機前(2007年)はGDP比64%でしたか
ら、9年で44ポイント(年間5ポイント%)増えています。

米国の政府債務の増え方の速度は、日本(GDP比で年間3%ポイント
い増加)より大きい。(注)この総債務のうち$16兆(1870兆円)
が国債です。あとは借入金です。

【国内だけでは、国債のファイナンスができない米国】
米国は、年間80兆円ペースで増加発行している新規国債のうち、
40%から50%を、海外に売らねばならない。国内では、50%から
60%しか、買われないからです。

米国は経常収支の赤字国を続けています($4693億:55兆円:
2016年)。この赤字分、海外からの資金流入が必要になります。そ
れが、海外からの国債買いという形になっているのです。

【公約の実行の想定】
トランプが当選し、公約を実行すると、米国の国債発行は以下のよ
うに増加します。

(1)現在財政赤字分 $7600億(年間の財政赤字7600億)
(2)減税分     $6000億($6兆の減税の1年分)
(3)公共投資増加分 $1000億($1兆の公共事業の1年分)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 国債発行合計  $1兆4600億(170兆円)

発行額は、$1.46兆(170兆円)へと倍増します。ここから予想さ
れるのは、米国内で引き受け難からの価格の下落です。1.6%の低
い金利では、米国債が売れず、国内と海外の買い手が増えるまで、
価格が下がって、金利が上がることが予想できます。

【ヘッジファンド米国債を売った】
もっとも多く米国債を売買しているヘッジファンドは、トランプ公
約の実行を想定して、下がる予想の国債を売ったのです。これが、
米国の長期金利が、それまでの1.6%付近から2.6%付近に約1%上
がった理由です。普通の時期は、わずか1か月でこうした大きな金
利の上昇はありません。

【国債を売ったマネーで米国株、日本株を買った】
米国債を売って現金を得たヘッジファンドは米国株と、日本株を買
っています。資金運用を預託されるヘッジファンドは、0%の金利
に現金をとどまらせることはできないからです。ヘッジファンドの
買を主因に、米国株と日本株は上がっています。

【米国株が買われた理由は、GDPの増加予想(4%)】
米国株が買われた理由は、
・10年間で$6兆(700兆円)という大きな減税が実行されると、米
国のGDPの70%を占める個人消費(世帯の商品購入)が増える。
・減税で企業の法人税も減るため、設備投資が増加する。

個人消費が増えて、設備投資が増えると、GDPが4%は増加し、企業
の売上が増えて、利益が増加する。(これが財政政策)

米国のGDPの増加予想は2%台でしたが、トランプ減税と公共事業の
実行がされれば、4%の増加なると期待されたのです。

ヘッジファンドは、トランプ減税の実行を想定して、
・市場の期待金利が上がると、価格が下がる米国債を売って、
・GDPが増えると、企業利益が増える株を買ったのです。

【ダウと日経平均】
米国ダウは11月4日の底値、$1万7883円から$1万9933にまで
$2050(11%)上げています。米国株には、11月と12月で、ヘッジ
ファンドと海外から、7兆円の買い越しがあり、これが株価を上げ
たのです。

米国ダウに追随する性質をもつ日経平均も、11月9日の終値1万
6251円からは、3145円(19%)上がって、1万9396円になっていま
す(12月26日)。

これは、1か月という短期の上げでは、2013年のアベノミクス相場
より大きな上昇率でした。

■3.円安/ドル高と、日経平均の上昇の理由

日本の株式市場の70%の売買は、外国人投資家(ヘッジファンド)
よるものです。日本人の合計(個人、金融機関、事業法人)は30%
の売買に過ぎません。

このため、わが国の株式は、
・ヘッジファンドが買い越すときは上がり、
・売り越すときは下がるという、米国追従の単純な相場になってい
ます。

以下は、16年11月から12月の投資家主体別の、買越額です。(東証
と安藤証券のデータをもとに筆者作成)

(注記)
・自己は、証券会社の自己売買。日銀のETFの買いに対応して、そ
の構成銘柄の一部を買う取引が多い。
・個人は、個人投資家700万人の合計
・外人は、オフショアからのヘッジファンドの売買。
・機関は、わが国の銀行、生損保の機関投資家。2000年代以降、一
貫して売り越している。
・信託は信託銀行。内容は、政府系金融(ゆうちょ銀行(資金量
210兆円)、かんぽ生命(同80兆円)、GPIF(同130兆円)の買い。
・投信は、投資信託。
・法人は金融以外の事業法人。自社株買いが、2016年は6兆円に増
えている。
・日経平均は。該当の週間での騰落額(単位は円)

【投資家主体別の買い越し額:マイナスは売り越し】
                     (単位100億円)
11月  自己 個人 外人 機関 信託 投信 法人 日経平均
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1週  -11  13  -6  -5  -3   2   7   +469 
 
2週   16  -41  40  -5  -7  -9   9   +590
3週   18  -45  49  -7  -8  -16   12   +591
4週   28  -43  30  -2  -8   4   4   +412
5週  -10  -30  41  -5   0   5   3   + 45
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
11月計 42 -147  154 -23  -28  -25   38  +1521
      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
12月
1週  -49  -37  56  -1  30   4   0   +570
2週   64  -48   8  -3  -5  -17    1    +26
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://www.ando-sec.co.jp/market/movement.html

【ヘッジファンドの大きな買い越し】
外人分は、オフショア(タックスヘイブン)からの、ヘッジファン
ドの買い越しです。11月には1兆5400億円という、1か月では史上最
大額の買い越しをしています。12月も1週が5600億円の買い越しで
す。

ほぼ1か月という短期での、2兆円の外人の買い越しが、日経平均を
1万6251円から、1万9396円(12月26日)にまで、19%も上げた主因
です。(注)外国人の保有シェアは32%で約180兆円

【個人投資家の大きな売り越し】
外国人の次に大きな売買をする個人投資家(700万人:保有額84兆
円:シェア17%)は、上げ相場の中で一貫して売り越しています。
トランプ相場の中で、損失を抱えていた株を売って、利益を確定す
る行動をとったのが個人投資家でした。

11月から12月2週までの売越額は、2兆3200億円です。個人投資家は、
下がる時は買い越して、上がるときは売り越すという「難平(ナン
ピン)買い」の傾向を強くもっています。

【自己売買】
なお、証券会社の自己の、12月2週での6400億円の買い越しは、日
銀の株ETFの買いに対応した、構成銘柄の買いです。日銀は、月間
で5000億円、年間で6兆円の枠で、株ETFを買い続けています。日銀
の買いは、株価が2%(日経平均で300円〜400円)下がると買いを
入れるという特徴をもっています。

【信託銀行】
信託銀行の買いは、政府系金融(ゆうちょ銀行、かんぽ生命)と年
金運用のGPIFの買いですが、これは、11月、12月には、大きくは動
いていません。外国人の買いで、大きく上がったからです。

【機関投資家】
かつては機関投資家と言われ、もっとも多く株をもっていた日本の
金融機関は、2000年代以降、「価格変動の大きなリスク資産」は売
却するという方針です。11月、12月も売り越しています。

【事業法人の買い越し】
事業法人は、11月に3800億円買い越しています。わが国の法人も、
EPS(1株あたり利益)を上げるための米国企業を真似て、2016年に
は、年間5兆円という最大規模の自社株買いを行っています。

16年11月の3800億円の買い越しは、流通株を減らす自社株買いによ
るものです。(注)自社株買いをすると流通株が減ります。その分、
1株あたり利益は増えたようになって、株価は上がることが多い。

以上のように、11月、12月のトランプ相場(日経平均+19%)は、
ひとえに、外国人が日本株を2兆円買い越したためです。国内の経
済要因による株価上昇ではありません。

■4.なぜトランプ相場が、円安(ドル高)、日経平均高になったの


円安は、「円売り/ドル買い」が、「ドル売り/円買い」を超過す
ることから起ります。

米国のヘッジファドは、減税の公約の実行により、2017年からの米
国の金利が上がると想定し、金利が上がると価格が下がる米国債を
売りました。

米国債が、実際に大きく売られて価格が下がると、金利は上がりま
す。(注)1.6%付近から2.6%へと、トランプ相場の1か月で、1ポ
イント(%)も急騰したことは前述しています。

▼日米の、イールド・スプレッドの拡大

日本は、ゼロ金利です。米国の金利と日本の金利の差をイールド・
スプレッド(利益差)と言っています。

●このイールド・スプレッドが、2%を超え3%に近くなると、円高
(ドル安)のリスクをカバーできるため、「円売り/ドル買い」が
大きく増えます。

16年11月には、
・まず、ヘッジファンドによる、米国債の売りがあり、
・ゆうちょ銀行と、大手民間金融機関が、イールド・スプレッドの
拡大を見越して、売られた米国債を買ったのです。

米国債を買うことは、円を売ってドルを買うことです。
このため、円安に向かいました。

(1)日本の政府系金融と、民間大手銀行のドル買いと、
(2)ヘッジファンドが、日本株を買うときに、円安ヘッジとして
行う円の先物売りによって、円は107円から117円にまで、約10%も
下がったのです(買われたドルが上昇)。

1か月で10%の円安は、平時にはない、大きなものです。

■5.ヘッジファンドが日本株を買い増すときは、
円の先物売りで、円安をヘッジする

この約10%円安を促した要素は、
(1)わが国の政府系金融と大手銀行(三菱UFJなど)のドル国債買
い(円売り/ドル買い)以外に、
(2)日本の株を2兆円も買い越したヘッジファンドによる、株の買
いと同額の、円先物売りにもよります。

ヘッジファンドは、まさにヘッジファンドであり、日本株を買うと
きは、そのリスクヘッジをします。

【300円の株価上昇と、1円の円安が対応している】
日本株は、株価が上がるときは円安になり、下がるときは、円高に
なる根強い傾向をもっています。

2016年3月までは、300円(2%)の日経平均高に、1円(1%)の円
安が対応していました。1円の円安になると日経平均が300円上がり、
1円の円高で日経平均が300円下がるという関係です。

両方が別々に動くことはほとんどない。

この原因は、日本の株式市場で、株価を左右する70%の売買をして
いるヘッジファンドが、
・日本株を、例えば100億円買い越すときは、
・円の先物も100億円売るという、ヘッジ取引をしているからです。

ヘッジファンドの買い越しで日本株は上がり、円の先物売りで円は
下がります。

こうしたヘッジ取引がある理由は、ドル圏にとっては、日本株が上
がるときのリスクは、円安だからです。具体的に言います。

・100億円の日本株を買い、それが10%上がって、110億円になった
とします。
・そのときは、5円(5%)の円安が生じていることが多い。

日本株の2%の変動に、1%の円安・円高が対応しているからです。
http://lets-gold.net/market/chart2_usdjpy-nk225.php
このサイトで、ドル/円と日経平均の推移を見てください。

2016年8月から12月まで、見事な対応が見えるでしょう。最近だけ
ではない。2012年末以来、4年間、ほぼ同じ対応が見られます。

▼株価上昇と同時に生じる円安をヘッジする方法

100億円で買った株が10%上がって110億円になっても、5%の円安
が進むと、ドル圏では為替差損が生じて、5億円の利益にしかなら
ない。

これを防ぐには、円の先物を100億円売っておけばいい。

100億円の、円の先物売りでは、
・例えば3か月先の限月(反対売買の期限日)までに、円が5%下が
った場合、
・それを95億円で買い戻すことができます。

利益は、〔売った100億円−買い戻した105億円=5億円〕です。こ
の円安がもたらす利益によって、日本株の上昇10億円(10%)の利
益を回復できます。

ヘッジファンドは、11月と12月に、日本株を2兆円買い越していま
す。同時に、円安ヘッジのための円の先物売りを2兆円行っていま
す。これは円売りですから、円安の要素になったのです。

■6.トランプ相場をまとめれば

2016年11月から12月のトランプ相場をまとめれば以下です。

▼(1)まずトランプ減税の予想から、米国債の増発と金利上昇が
予想され、ヘッジファンドが、金利が上がれば下がる国債を売った。

その米国債は、
・日米のイールドスプレッド(金利差)の拡大を予想し、
・日銀に国債を売り続けていて、大量の当座預金をもつ日本の政府
系金融(特にゆうちょ銀行)と三菱UFJなどの大手銀行が買った。

これは「円売り/ドル買い」であるため、円は下落した。11月初旬
の1ドル107円は、117円にまで下がり、9.3%の円安が生じています。

▼(2)米国債を売ったヘッジファンドは、ゼロ金利マネーで米国
株を買い、同時に、日本株を買った。

この買いが大きかったため、米国ダウは$1万7888(11月4日)から
$1万9933にまで11%上がった。

米国株は、海外から1か月で7兆円も買い越されています。ヘッジフ
ァンドの買いは、100%がオフショアからなので、米国株も海外か
らの買いになるからです。

日経平均は、ヘッジファンドの2兆円の買い越しを主因に、11月9日
の底値、1万6251円から1万9396円(12月26日午後7時)へと19%上
がっている。

▼主因は、米国の金利上昇である

トランプ相場が起った主因は、トランプ政権が10年で$6兆(700兆
円)減税に向かうという予想からの、
(1)金利の上昇(1.6%→2.6%)
(2)減税と公共投資の財政政策により、米国の実質GDPが2%台か
ら4%台という、需要主導型の高い成長に向かうという期待からで
す。

以上が、米国の株が7兆円買われて、上がった原因でした。

日本株は、ヘッジファンドの、日本株の買い越し2兆円として、そ
の波及を受けたのです。同時に、2兆円の円の先物売りによる、円
安が起っています。

円安は、
(1)特にゆうちょ銀行と三菱UFJなどの大手銀行による、米国金利
の上昇予想(イールド・スプレッドの2.6%への拡大)からの「ゼ
ロ金利の円売り/2.6%の利回りのドル国債買い」を主因に起こり、
(2)ヘッジファンドの円の先物売り(2兆円)によって、強化され
たものです。

検討すべきは、
(1)米国金利の上昇とドル高
(2)その反対の、円安
(3)円安と米国株の上昇が生んだ、日本株の上昇が、2017年も続
くかどうかです。

■7.2017年の予想

「織り込みの項」で述べたように、2000年以降の金融相場では、
「3か月あるは6か月先の予想が実現したと想定した売買」が行われ
ています。

トランプ相場は、選挙公約が実行されたと想定した国債の売り、米
国株の買い、円の売り、日本株の買いから起ったものです。(織り
込み)

注目すべきは、2017年1月20日の、トランプ大統領就任式の後の、
上下院での議会演説です(一般教書)。

1月末からの金融市場は、次は3月から6月の、実体経済(GDP、金利、
企業利益、通貨)を予想して織り込むものに変わります。

一般教書での、選挙公約の減税($6兆)と公共事業($1兆)が、
実際は後退するとなると、それを織り込んだ相場に、反転が起りま
す。これは、トランプ相場の逆になるのです。金利の低下(国債価
格上昇)、日米の株価下落、そして、円安・ドル高の反動です。

政治と経済の運営の基本を示す一般教書は、選挙公約より激しいも
のにはなりません。むしろ、低下する可能性が高い。

となると、2016年末から1月初旬の金利、株価、ドルでピークをつ
けて下がるでしょう。米国の年初の金利、株価、ドル高(円安)は、
注目に値します。

ゴールマンサックス出身のムニューチン氏が、財務長官に指名され
ているので、ヘッジファンドには、一般教書の内容が伝わるからで
す。米国に限らず、日本でも政策的なものは、インサイダー情報の
カタマリになっています。

その次は、2017年2月の、政府の予算です。ここで、具体的に減税
と財政支出が明らかになります。これも、選挙公約より激しいもの
になる可能性は低い。

【FRBの利上げの要素】
もう一点、FRBの利上げという要素があります。FRBは16年12月14日
に0.25%の利上げを行いました。しかしトランプ相場の織り込みで
長期金利はすで2.6%に上がっていたため、0.25%程度では、ほと
んど話題にもならなかったのです。

FRBは、トランプ相場の金利上昇にのる形で、2017年には、少なく
とも3回(0.75%)か4回(1%)の利上げに転じるという予想に変
わっています。

これが、実際にできるのかどうか。

【ドル高の限界】
金利上昇がもたらすドル高は、米国産業の輸出にとっては障害です。
ユーロ安、元安、円安になって、米国製品が高くなり輸出が減るか
らです。輸出が減れば、米国産業の輸出($1.5兆:175兆円:
2015年)は減ります。それは、米国の自動車や武器輸出産業に打撃
を与えるからです。

米国は、円との関係で言うと「$1=120円以上」のドル高には、長
期では耐えるこことができないと見ています。輸出先の1位である
カナダと2位のメキシコは、米穀との関税がないNAFTA(自由貿易
圏)です。関税がないため、もろに、ドル高が輸出を減らすことに
なるからです。

米ドルを上げるFRBの年3回の利上げ(2017年)は、可能性が薄いよ
うに思えるのです。

以上の諸点を考慮した場合、2017年の円は、$1=120円を超えるこ
とがあってもこれは一時的であり110円台に戻る感じがしています。
日米の株価も、ダウで$2万、日経平均で2万円が頂点になるでしょ
う。

ある週刊誌は、日経平均4万円や2万5000円、$1=130円から140円
とも言っていますが、これはない。2017年1月初旬は、売り時を迎
えるでしょう。

【ドル高で膨らむ米国の対外債務の実質負担】
ドル高に限界がある理由のひとつは、米国が、基軸通貨のドルベー
スでの、対外債務国であることです。対外債務の総額は$17.5兆
(2047兆円:2015年)です。GDPに匹敵する海外からの債務です。

この債務はドルベースですから、世界の通貨に対するドル高が10%
進むと、債務の実質負担も[$17.5兆×1.1=$19.25(2252兆
円)]へと205兆円も膨らむのです。この負債からも、ドル高には
限界があることが、わかります。このため、$1=130円や140円に
は、なり得ないのです。

本稿では、2017年の株価、通貨の予測をしました。

週刊誌が、円は130円や140円、日経平均は2万5000円や3万円と騒い
でいるトランプ相場は、2017年1月末から2月には、ほぼ終わる可能
性型高いと判断しています。
posted by 秀さん at 13:00| ハノイ | Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナムで政治・経済雑感編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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