車中、携帯電話で調べものをしていたので気づかなかったのですが、ふと外の景色を見たら車道は渋滞で10メートル進むのに何分もかかっている様子にびっくりポンでごわした。
はぁ、直ぐにこれは帰省の渋滞なのだと気づいたのです。
テト以外にもベトナム人は少し長い休みがあると田舎に帰省します。
田舎に帰っても親兄妹や親戚に久しぶりに会うぐらいで家でゴロゴロするだけで
何もありゃしないのですがね。
でもね、秀さん、このベトナム人の故郷思いというか親族の結束の強さが好きです。
ベトナムという国の基本ベースは農業国です。工業化に国は力を入れてはおりますが外資頼みのところが大きく、都会で働く若い人の多くは地方から出て来た者たちであり、田舎に帰れば両親は農業をしていると言う者が多いということは、過去千人以上のベトナム人を面接して来た仕事の経験上から秀さんは知っております。
まぁ、昔の日本も同じで都会と違い田舎には農業以外大した産業も会社もない所が多い。
都会で暮らしていても幼い頃から染み付いたこころの原風景は田舎なのでしょう。
農作業は地域の者達と共同にやらなければ成り立たないことも多い。いわゆる村落共同体作業です。
都会と違い隣近所みな知り合いばかりですわ。貧富の差も都会に比べれば大したこともなく、仮にあったとしても目くそ鼻くそのレベルですわ。総じて言えば皆、貧乏というところが多い。
一部の地域を除いては農業では裕福な生活ができない。そこで若い者はみな都会を目指して大移動ということにここ20年くらいなっております。
農業は生産地価格が日本に比べると驚くほど安く、自分で消費者に直接販売する何てことは皆無ですわ。
狭い耕地面積で農業をしたところでコメ野菜その他の農産物の市場価格も安く儲からないというか貧乏当たり前! といった感じですがな。
また日本でいう農協に代わって資本力のある中間流通業者のマージンが大きく生産者価格は安いので儲からない=貧乏当たり前の公式でごわす。
その親の姿をみて育った若い人たちは農業なんてやりたがらない。そこで都会に働きに出る。
昔は日本でも当たり前のようにあった事柄です。
千昌夫や細川たかしの歌の世界ではないですが・・・だれにでも望郷の思いはあります。
その現れとしての大渋滞ですもん、帰宅に1時間半かかろうが2時間かかろうが 良か ヨカ 田舎に帰って両親に元気な顔を見せて親孝行してあげなされ! と寛容な気持ちになる秀さんでごわす。
だって、秀さんのもう両親はとっくの昔に他界しており 親孝行したくても親はなく 昔、可愛がってもらった記憶だけが秀さんを慰めてくれるだけです。
若い頃に、今の悟り?=人間は誰でも必ず死ぬ生き物なのだ! という事がわかっておれば
もう少し両親に色々なことが出来たのではないかと・・・
今この歳になって悔やまなくてもすんだのかも知れないです。
最後にここで秀さんの駄詩をベトナム人に捧げましょう・・・
思いとは裏腹に進まぬ帰省バス
硬いシートに荷を積み積み走る単車の群
思い急かすな故郷に待つ親兄妹
都会の疲れ忘れる母の田舎飯、友と飲む米焼酎
沢山の故郷の思い出を胸にまた帰っておいで
秀